第7話 ドラゴン娘、女の子を送ってあげる。(後編)

「わぁぁっ!すごい、本当に空を飛んでる!」


「テンション上がってるのはわかるが、落ちないようにしっかり首に掴まってるんだぞ?」


「あはは!わかってるよ!」


最初、俺の完全なドラゴン姿に怯えて気絶したアリアだったが、どうやら慣れたみたいだ。空が飛べて喜んでる。流石は異世界に住む子だ。適合能力高い。


「リュウカお姉さんってドラゴンだったんだね!角とか尻尾と翼があるから普通の人間じゃないかもとは思ってたけど!会えるなんて奇跡みたい!」


「ドラゴンってあまり存在しない生き物なのか?」


「学校の授業で習ったけど!数が少なくて滅多に会えない、世界でもっとも最強のレアモンスターだって言ってたよ!」


「世界でもっとも最強のレアモンスターか、いい響きだな。」


「でもあまり自分がドラゴンだって言わない方がいいかも!血だけでも魔術の超一級素材として扱われてて、欲しがる人が沢山いるから!殺されちゃうよ!」


「うぎっ、恐ろしいこと言うね?」


《女の子の言う通りですよ。レアモンスターとしての自覚を持って素性をあまり話さないように気をつけてください。》


(じゃあ、何で普通の美少女じゃなくてドラゴンにしたんですか…?)


《まっまぁ、でもドラゴンは最強ですから。正体がバレても何とかなりますよ。》


(あはは、開き直ってますね…)


「特にお姉ちゃんには言わないでね!絶対に欲しがっちゃうから!」


「なんで…?」


「家に着いたらわかるよ!」


「そうか…?」


「あっ見えてきた!あの町が私の住んでるトーチだよ!」


「あれだな。中々、大きい町じゃないか。」


『人口、約8万人住んでる町だから、当然だよ、Yo!』


(まだ案内してたんだ…?)


『べつにいらなかったみたいな態度するな、Yo!必要ないなら案内はここで終わりにするぜ、バイビー!』


(あっうん、ありがとうな…?)


俺は終始、案内役のマップルンのノリについていけなかった。


「それじゃあ、近くに降りるぞ。」


「はーい!」


俺は森の出口に着地して、尻尾を使いアリアを降ろすとドラゴン娘に戻った。


「ここまで来たらもう迷わないよ。町はここから歩いて10分ぐらいだから。」


「そうか。」


《では町にも着けそうなので、わたくしのサポートはここまでにしますね。》


(そっか、基本は全て教わりましたもんね。)


《困ったことがあったらすぐ連絡出来る、" 女神ヘルプ"をコマンド選択に入れておきますから、何かあったら連絡ください。》


(わかりました。ここまでありがとうございました。このご恩は決して忘れません。)


《あなたの第二の人生が素晴らしいものになる事を願っています。それでは。》


(女神様…)


「居た!アリア!」


「えっ?」

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