第2話、初ゴブリン

 無事に冒険者になれた私ですが、港町から出る仕事が出るまで孤児院の仕事を手伝っていました。

 ちょっと格好悪いです。


 ともかく、塩田の仕事を手伝って5日で買い付けに来た商人さん登場!私、待っていました。

 そして川とか海があれば大樽で飲める水を用意出来ると教えたら追加で干物を買い出しました。

 

 川沿いの道を行くからまあ、良いのですけど。

魚も良いですけど、孤児院の皆で煮詰めた塩を買って欲しいです。


 商人さんの馬車は3台。2台は買い込んだ品々で残りは馬のご飯や水の消耗品だったのですが少々買い込んだ品が増えています。水は私頼みな感じ。


 商人さんメンバーは全部で6名、護衛は私含めて7名、どうやら私はおまけみたい。水作り要員ではあるし14才の真新しい服の娘だから迫力が無いものね。

 何か商人さんや護衛パーティーさん達からすると妹とか娘くらいの立ち位置みたい。


 もっと身長やアレやコレが育て無くてはね。


 さて、これで今日こそ町を出ます。

 さらば、故郷ニューインスマス!そのうち帰って来るよ、美味しい魚が食べたくなったら。


 そして町を出て何事も無く退屈な日々を送る。荷台に全員が隙間に身を小さくして乗っていて身体の大きな戦士が居心地悪そうにして乗っている。馬車は商人さんが最新型と自慢するだけあって自慢するだけあって御者が脇の棒を引くと下の棒が地面に突き出て馬車を止めるそうだけど荷物満載だから効果は薄いそうだ。だからか野営の時に馬車を止めると御者は三角の輪止めをしっかり置いて止めていた。


 そんなダラダラとした窮屈な日は2日目の野営時に終わった。何か来た!そこそこの数のゴブリンだった。革鎧を着た3人の戦士を先頭に弓持ちの後衛が矢が勿体ないのか投石機で援護して残りの2人は周りを警戒していて。私は何かあった時の回復要員。


 すり潰してゴブリンの群れは終わり。数えると12匹、これは何処か近くに巣があるね。

 戦いより死骸の後始末が大変なので、ゴブリンの死骸から魔石を取ったら穴を掘って埋めるまでがお仕事になるのだけど川が近いとので私の出番!


「ゴブリンの死骸を全部貰って良いですか?」

「全部を埋めるのが面倒だからありがたいが、どうするんだ」

「神様への供物にします」


 川に手持ちの鐘を沈め爪先で弾いて鳴らす。

「いあいあダゴン、いあいあハイドラ」


 しばらくすると、ざばぁと川から半魚人が登場。教団の仲間の半魚人のアレックスさんが登場。水中で鳴らさないと聞こえない魔法の鐘らしい。地上で鳴らすと音を水面で弾いて小さな音になるらしい。

「ゴブリン12匹を供物に、ついでに旬の海の魚を13人分くらいをお願い」


「死骸を持っていってくれるのでここらに集めて下さい」

 

 とりあえず2体を両手に持って川に飛び込むアレックスさん。その間、川に飛び込んだ辺りに残りのゴブリンを皆で集めておく。


「供物ってどうするんだ、アレを」

「海で眠る神様に捧げます、簡単に言えば神様のオヤツです」

「ゴブリンを食うのか……」

「海で取れる物だけだと飽きるでしょうから、陸の物は教団に喜ばれるのですよ」

「そうなのか……」


 その後、アレックスさんが両手に魚を持って数人連れて帰って来て、残りのゴブリンを持っていった。油の乗った旬の魚だった。わりと高級魚で商人さん達と護衛さんが喜んでいた。孤児院の食卓にも出ていた魚で私には美味しいけど、有り難みは感じなかった。


***

次話は明日6月12日19時00分予定

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