最終話 告白


「さっきから思ってたんだけど、私君のことやっぱり好きかもしれない」

ドキッとする。

僕の長年の勘がいっている。

これは酔ってるだけだと。

社会人なりたてところは、よくひっかかっていた。

「からかわないでくださいよ〜 対して稼いでない僕を好きになっても意味ないですよ」

「え〜 前から好きだったんだよ?」

いや、疑問形で言われてもなぁ。

「いつからですか?」

とりあえず聞いてみた。

「君が高校生のときからだよ。君も好きっぽいのに卒業式のとき全然告白してこないしさ。こっちから聞くのもどうかと思って言いづらかったの」 

まさかの両思いだったなんて。

「今はどう? こんな私でガッカリした?」

「いえ。もっといいなって思いましたし、僕でよければ守りたいって思いました」

そっと僕の頬にキスをした。

「酔って気分悪くなってきたから、続きはまた今度。ごめんね」

謝られた。謝ってる顔もかわいい。

僕たちは、それぞれの家へと向かった。

見あげた空は、ふたりを祝福するように月明かりが照らしていた。




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空を見あげたら、祝福するような感じで月の光がさしていた 夜空らむね @yozora_ramune

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