第2話 黒歴史

「さっきは、びっくりさせてごめんね。有沢優馬くんだよね?」

「そうです。よく覚えてましたね」

「小テスト0点連発の」

「僕の黒歴史掘り出さないでくださいよ〜」

「でも最終的に定期テスト50点取れたじゃないの。あんなに苦手だったのに」

学生の頃みたいにぽんぽん撫でられた。

てか、たわわなお胸があたってるのですが。

「せ、先生。近いです」

思わず声がうわずった。

「こんなところに私を連れてって、そんなこと言う?」

騒がしくないところと考えてだ。 

「すみません。うるさいところだと落ち着かないかなぁって思いまして。社会人失格ですね」

「ありがとね。久しぶりにおきたから油断してた。私、パニック発作持ちなの」

少なくとも僕が生徒だったときは、そんなことはなかった。

卒業した後なにがあったのだろう。

「有沢くんが卒業したあたりかな。その年の春急になって。度々おこるようになって、学校辞めたの」

「大変でしたね。それじゃあ、今はーー」

続きを言おうとしたらそっと唇に手を当てられた。

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