第17話
皆を連れて51階へと移動した。
「話しがあった順に話しを進めたいので、申し訳け無いのですが他の方々はこの部屋を自由に使って頂いて良いので好きに時間を過ごして下さい。高嶺さん、葵さん、美里ちゃん案内頼めるかな?」
「畏まりました。」「任せて下さい!」「二人ともコッチコッチ」
「天童さん、雨宮さん、姫島さんはコチラへ。」
リビングの椅子に案内する。
「もし、琴音さんと美佐さんが俺のマンションで住むとなった場合、50階の部屋を使って貰う事になります。俺としましては、元々使って無い部屋だったので使って貰えるのであれば管理が楽で助かります。しかし、わざわざ家族と離れてまでここに住むのはどうかとも思っています。なので、提案なのですが、完全にコチラに居を移すのでは無く、週の半分をコチラで過ごすとか良い落としどころを見つけては如何でしょうか?」
「うむ。正直、マンションと聞いていたのだが、私の想像の斜め上を行っていたよ。高嶺もここに住むようだし、週の半分であれば私達も寂しくは無いだろう。」
「そうね。それなら、週の半分は仁夜くんが娘を送ってくれるだろうから仁夜くんに逢えるし問題無いわね。」
「私もそれで許可を貰えるなら文句は無いわ。」
「私は不満です! なので、お姉ちゃんが住まない半分を要求します!」
ここへ来て、静音ちゃんが新たな要求を突き付けて来た。
「あらあら、予想していた事でしたけど静音もはっきり言うようになったわね。私は構わないわよ。二人が暫く帰って来なくても、それはそれで信吾さんと二人っきりになれるのですから。」
「こら、晴香。皆の前で何を言ってるんだ。」
「良いじゃない。それとも信吾さんは嬉しくないの?」
「グゥ・・嬉しくないわけ無いだろう」
「それなら決まりね。仁夜くん、これからうちの娘達を宜しくお願いしますね。」
「こちらこそ宜しくお願いします。」
雨宮さんとの話しは纏まった。
「お父さん、私は週5日を希望します。」
次に姫島さんの方に視線を向けた瞬間、美佐さんが開幕そうそう勝負に出た。
「美佐、それはズルいのでは無いですか?」
「そこは家族での落としどころの話しだと思うんです。お父さんとお母さんがそれで納得するのであれば問題無いと思っています。」
「お父さんも週5日は多いと思うなぁ。」
「お父さん、そんなこと無いと思うよ。そうでしょ、お・と・う・さん。」
「はい・・・」
「フフフ、美佐も言うようになったわね。そうね、それなら休日の土曜日か日曜日どちらかは必ず家で過ごすこと。それが条件ね。」
「1日丸々一緒に居られる時間を・・・でも、ぶつぶつ。その休日の日に仁夜くんを家に誘うのは有りですか?」
「それは問題無いわよ。寧ろ連れて来て欲しいくらいよ。」
ガシッ!
「その条件でお願いします。」
母娘が握手して話しが纏まった。
「話しが纏まって良かったわ。それでさっきの提案なのだけど一緒の部屋に住んでくれないかしら?」
「それはこちらからお願いしたいくらいよ。」
「棗ちゃん、宜しくお願いします。」
「それならお父様、琴音さんと美佐さんの御家族の方、これから部屋に案内致しますので御足労お願い出来ますか?」
棗ちゃんの可愛いさに当てられた面々は和気藹々と下の階に降りていった。
続いて、藤巻さん、東城さんと話しを始める。
「お待たせしてすいません。天神高等学校1年の天馬峰仁夜と申します。縁あって橘美里の保護者をしております。どうぞ、宜しくお願いします。」
始めにきちんと自己紹介をしておく。
「御丁寧にありがとうございます。藤巻深仍の母、
「私は東城茜の母、
自己紹介も終えたので、早速本題に入る。
「私的には定期的に深仍ちゃんと茜ちゃんに勉強を教える事は問題ありません。寧ろ美里と遊んでくれるので感謝の方が大きいです。それで、早苗さんと美空さんに確認したいのですが、深仍ちゃんと茜ちゃんに何を何処まで学んで欲しいとか要望はありますか?」
「私の方は特にありません。娘が勉強したいと相談されましたので、娘がやりたいように学ばせればと思います。」
「私も茜の意思を尊重します。」
「わかりました。それでは詳しい話しに入らせて頂きますね。定期的にとありましたが週何回とかありますでしょうか?」
「こちらとしましては、仁夜くんが無理の無い程度でお願いしたいと考えています。」
「習い事の無い日で仁夜くんの都合の良い日でお願い出来ればと思っております。」
「こちらとしましては、毎日美里に勉強を教えておりますので、特別な用事が無ければいつでも問題ありません。そうだ! 私が趣味で作ったスケジュール管理表で子供も合せて共有しませんか? 私の用事がある時は予定を入れておきますから、それ以外で通わせたい日があればスケジュールに書き込んで下さい。勿論、子供達が勝手に書き込むのは不味いので書き込めるのは早苗さんと美空さんだけに設定しておきます。」
「それは助かります。娘と話しをして決めますね。」
「それなら習い事の調整がしやすいです。」
「詳しい話しは子供達も合わせて進めましょう。」
後は子供達も混ぜて話しあった方が良いな。
「え~と、美空ちゃん、深仍ちゃん、茜ちゃん、テストで満点取ったって聞いたよ。おめでとう。それでさっきこれからの事をお母さんと話しました。結果、定期的に此処で勉強を教える事になりました。それで、3人は目標とかこれを学びたいとかあるかな?」
こればかりは、3人の意見を聞きたい。早苗さんや美空さんも二人の意思に任せたいと言っていたしね。
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