魅了魔法で操られたお兄様たちを助けに行きます!!
レモン味の林檎
1.パーティー
今日はお兄様が正式に聖騎士として認められる日だ。同時にパーティーが開かれる中、若くして王様になったハルト陛下の許可を貰ってお兄様が婚約中の方へプロポーズをするらしい。そのプロポーズされる方は私と友達になってくれたアリス・パルライト様。私がもともと平民にも関わらず、出会った頃からずっと優しく接してくれた方なの。だからお兄様からアリス様へプロポーズしたいっていう話を聞いた時には私も凄い嬉しかった。そして
「ごきげんようルーシェ様。この度はアイル様が聖騎士として認められることをお祝いいたしますわ!」
「ごきげんようカルラ様。お祝いありがとうございます。」
挨拶されたのでこちらもお辞儀する。ピンク色のショートヘアーが特徴の可愛らしいこの人はカルラ・リヴェス様。実はアリス様と同じ聖女候補の1人だ。
「そういえばアリス様はここに来られましたか?」
「あぁ…アリスね。彼女ったらまだ来てないのよね。そんなことより体調は大丈夫なのかしら?アイル様からよく体調を崩すって聞きましたわよ。」
「あ…体調は今のところ大丈夫です。今日くらいはちゃんとパーティーに参加したいので。」
正直に言うと、既に危なくなっている。なんというかこの会場は気持ちが悪くなるほど甘い匂いがするのだ。恐らく魅了魔法の匂いだろう。私が何故使われた魔法について分かるのかというと、白狼の聖獣と人間のハーフだからだ。聖獣はそれぞれ特別な能力を持つため、私とお兄様も特殊能力があるの。私はその場に使われた魔法を知る力でお兄様は魔法に対する耐性が人一倍強い。そして私たちは本来なら生えている白い耳としっぽを魔法で隠している。もし聖獣だとバレてしまえば利用しようとしてくる人が現れてしまうから。ただ聖獣についてはあまりよく分かってないみたいだけど、お母様によれば奇跡を起こしたり加護を与えたりとその他いろいろ出来るらしい。だけど詳しいことは聖獣であるお父様に聞いても教えてもらえなかったな。
「ルーシェ様…?聞こえています?」
「あっ!申し訳ありません!少し考え事をしていました…。」
「もう…体調が悪くなったらすぐに伝えなさいよね。」
「はい…。ありがとうございます。」
とりあえずもう一度お辞儀をしてその場を去ることにした。すると少しだけ甘い匂いが収まった気がする。もしかしたらカルラ様の近くに魅了魔法を使った人がいたのかもしれない。ただ周りの人たちは魔法の匂いなんて分からないはずだからどうしようかな。ここで魅了魔法を使っている人がいると言っても既に魔法をかけられている人を含め信じてくれる人は少ないだろう。そう考えていると急にドアが開いてアリス様が走ってきた。焦っている表情だったけど何かアクシデントがあったのかな。飲み物を貰って大広間の中心がよく見える場所に移動する。そろそろ発表される時間になりそうだから。
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