第10話 両親との会食結果
昨日のお昼前、彼女と駅で待ち合わせした。
少し遅れてやってきた彼女は明らかにテンション低めだった。
私の親に初めて会うことに緊張しているかなと思ったが、どちらかと言うと妊娠の影響による体調不良のようだった。
訪問時間まで余裕があったので、カフェで身体を休めることにした。
入念に化粧をしているからかもしれないけど、顔色が悪そうだった。
どうやら空腹でも満腹でも体調が悪くなるらしい。そして最近明らかに食べる量が増えたとのことだった。
見たらきっとビックリするよなどと言いながらシナモントーストを食べていた。
体調不良についてはとても申し訳ないけれども、妊娠中の正しい?症状とも考えられるため良い事とも感じられた。
休憩後、手土産を持って私の実家に向かった。
親が同棲のランチは大枠問題なく終わった。
ただ、私の親(母親)としては、恐らく外国人との結婚ということで心配な面があるようだった。
でも日本人だったら誰であっても良いわけではなく、私的にはどんな人を連れてきても同じ結果になっただろうと予想している。
そして、恐らく私は所謂一般的な日本人女性にはそもそも受け入れられず、縁は出来ないだろう。
夜には彼女の両親と夕食をとる予定があるため、2時間程度でお開きとなった。
個人的には私の母親の心配的な表情を初対面の彼女の前であからさまに出すことはやめて欲しかった。彼女も母親については気づいていて更に、母親の気持ちは分かると言っていた。出来れば表情には出して欲しくなかったな。でもまぁ物事は完璧には進まないのでこれで良いことにしよう。
彼女の両親に会うまで少し時間があったので、カフェで休憩した。
その際、もし子供が産まれたらベビーカーが必要なのか?ベットが必要なのか?国や自治体から支援が出ると思うが、何をどれくらい支援してもらえるのかなど調べていかないといけないという話になった。
今年いっぱいは準備で忙しくなるなという結論に至った。
大変そうなのは予想できるが、それを幸せなことだと捉えられるようになる必要があるようだ。
彼女の父親は、所謂昔の頑固親父といった雰囲気ではあったが、あからさまに怖い男性というわけでもなさそうだった。
母親の方はいかにも女性らしい柔らかな雰囲気の女性だった。
両親は日本語を一切話せないため、彼女が通訳をしながら会話した。
通訳を通しながらの会話はどうしてもゆっくりになる。
話すことが得意でなくアドリブがきかない私は、かえってこのスピードに助けられた。
色々と話し、全く問題なく彼女との結婚については許してもらった。
嫌な顔は一切されなかった。
後から聞いたことだが、私の印象は良かったようだった。
人に好かれないが自認の私としては嬉しいことだった。
いつか、彼女の産まれたエリアや思い出の場所に訪れてみたくなった。
夕食も終わり、彼女一人が少し遠くまで見送ってくれた。
その時の彼女の顔はいつもの顔に戻っていた。
私としてはホッとした。
森博嗣風に表現すると、別れ際、私達は数字の11より近づいた。
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