仲良し5人組なら、異世界だってやってけるでしょう。

第1話 チュートリアル

俺の名前は双月葵そうつきあおい

19歳。ゲーム配信サークル副部長の大学2年生だ。

そして、俺の膝を枕にしてスマホを弄ってるこいつは春陽乃和也はるひのかず

俺の親友にして、ゲーム配信サークルの部長である。


和也「ねぇねぇ葵くん」

葵「なあに?」

和也「未来くんに布団掛けてあげてよ」

葵「あ?」


後ろを振り向くと、そこには編集作業に疲れて眠っている倉川未来くらかわみらいがいた。

パソコンを開けっぱなしで寝ている事を察するに寝落ちか。

まぁ、いつもなら2日1本の動画を馬鹿和也の我儘で3本も作っているんだし疲れて当然か。

膝に乗ってる和也をどかして布団を取り出して掛けてやる。


和也「ねぇねぇねぇ葵くん」

葵「次はなぁに?」

和也「俺も寝たいから布団掛けて」

葵「それぐらい自分でやれ」

和也「ヤダヤダヤダ!葵くんが掛けてくれた布団じゃないとねれない!」

葵「お前なぁ、、、」


と俺が和也こいつを相手していると、部室の扉が開く。


慧「葵さん和也さん、差し入れを持ってきましたよ」

大智「うんこしてて遅れたっピ」


そう言って、差し入れを持って入ってくるこいつの名前は上原慧かみはらとし

このサークルで唯一と言っていいほど真っ当な人間だ。

そして、うんこで遅れて来たこいやつは杉浦大智すぎうらたいち

常識も礼儀も知らないヤバい奴で、どうやってこの大学入ってきたのか不思議である。


葵「ありがとう慧」

慧「いえいえ」

和也「わーい差し入れだぁーo(^o^)o」

慧「はいこれ、エナドリ」

和也「さっすが、トッシーわかってるぅ」

葵「ほんと現金な奴だな」

慧「良いじゃないですか」

大智「それより、なんで集められたの?」

慧「そう言えばまだ要件を聞いていませんでしたね」


と、慧の発言で和也の方に目線が向く。

今日は日曜日、サークル活動OFFの日。

そんな日に呼ぶと言う事は何か、急ぎの様でもあるのか?。


和也「(ゴクッゴクッゴク)ぷはぁー。超うめー」

慧・大智・葵「〔和也に視線を送り続ける〕」

和也「………こっこれは僕のエナドリだぞ」

慧・大智・葵「そっちじゃねぇーよ」

未来「うっっっ、、、いつの間にみんな集まってたの。。。(目を擦る)」

慧「おはようございます未来さん。これ、差し入れです(コーヒー缶を渡す)」

未来「うん、おはよう。(コーヒー缶を貰う)」

和也「よし、これでみんな揃ったな」

葵「それでみんなを集めた要件はなに?」


そう言って話を促すと、和也は鞄から変な本を取り出す。


和也「ジャジャーン!。ゲームブック」

慧「これは懐かしい」

大智「タイトルはなんて言うの?」

和也「タイトルはね、【勇者召喚申請書】だって」

慧「珍しいタイトルですね」

未来「珍しいと言うか、ネーミングセンスヤバいな(コーヒー缶を開ける)」

葵「それだけの為に呼んだの?」

和也「うん」

葵「…別に今日じゃなくて良くね?」

和也「ちょちょちょちょっと待った。これは今日やらないといけないんだ」

葵「なんで?」

和也「知らないおじさんが言ってた。」

葵「は?」

和也「知らないおじさんがこの本をくれて、今日やらないといけないってそう言ってたの」

葵「お前、知らない人から物を貰わないって小学校で習わなかったか?」

和也「けど良いじゃん!タダだし」

葵「あのなぁ和也」

慧「まぁまぁ、良いじゃないですか」

大智「今日のOFFを来週の別日にすれば良いし」

葵「はぁ〜分かったよ」

未来「で、やる前にどう言うゲームブックなの?(コーヒー缶を口にする)」

和也「え?知らん」

未来「中見た?」

和也「ううん、見てない」

未来「なら、最初のページに載ってるであろう、あらすじやルールから読もうよ」

葵「未来の言う通りだな」

和也「ok」


そう言って和也がゲームブックを開いた瞬間、眩う光が俺達を包み込み俺の意識が落ちるのだった。


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