夢日記
古海うろこ
19??????
これは私の記憶にある限り一番古くていやな夢だ。幼稚園の時、元々住んでいた一軒家から、色々な事情でマンションへ引っ越したあたりから何度も見始めた。
いつも、階段を登るところから始まる。引っ越す前の一軒家は、玄関のすぐそばに階段があった。二階には私の部屋と兄の部屋、突き当たりに和室があった。幼稚園児のわたしには、階段の一段一段も、天井も高く見えた。幼い私は、何のためか、まっすぐ二階奥の和室へ向かう。襖の丸く黒い引手に手をかけて、開く。和室だ。幼い私は自室にベッドがなかったので、この和室で寝ていたはずだ。そんな、いつも使っている部屋に誰かがいた。一人や二人ではない。見知らぬ人間が、和室に、ぎっしり詰まるほど存在していた。そして全員、頭と足がくっついて、円形になって宙に浮き、ただ回転してる。ぐるぐるぐるぐる。明らかに異常、狂気的な光景。幼稚園児にだって分かる。けれどこれを見て、どうしたらいいのか分からない。幼い私はただ、その光景を見つめることしかできない。人間は濁った目で、何を言うこともなく回り続ける。
そんな夢を幼い頃、何度も見た。階段を登り、襖を開けて異常を目撃する。ただそれだけの短いシーンを、数時間の眠りの中で、ずっと見ていた。
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