20140427
ここは呪われた家だ。
写真を撮り続ける部屋の窓はブラインドがおりてくる。この家に住む幼い息子は優しいから、彼が想えば想うほど家族が一つ目になっていく呪いが強まる。壁に広がる青カビの膜をめくり、剥がす。
金のプレートにwhiteと文字が刻まれた部屋。その隣は父の部屋。whiteは母の部屋だ。開けると冷や汗が出る。中は白くて明るい。光と埃がきらめいている。
白い部屋は開けると過去の出来事が漏れ出すので息子に怒られる。外部の人間がどれだけやってきても、ここの家族を家の外に出すことはできない。呪い殺されて死ぬのだ。私は幼い頃から、よその家族と、写真を撮り続ける部屋で古いカメラに向かっている。歳のいった男が撮影している。配置を変えて何度も撮る。
幼少の頃の私が親に訴える。このドアも見たことがある、この部屋もあの部屋も知っている、と訴える。今更信じられる。お皿が足りない。
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