第2回短歌・俳句コンテスト【短歌】二十首連作部門『されど一歳差』
互井宇宙論
短歌二十首『されど一歳差』
今年ってうるう年かと立ち止まりやっぱ違くてブレザー羽織る
米粉からパンに化けると聞いたから未・ユア・ラバーと名乗ると決めた
校庭でならしと走るぼくの背が寒風きってつくったピンフ
雪解けで春になるよと声にした理系のせいで加速したとき
二二二二二二二二=二十だと嘘とあなたは気づくはずです
生活を窓の枠から切り取るとこの教室がコックピットに
「デカメロン」ボッカチオ作エッチかも、声に出したら笑われるかも
自販機と背比べしてるあなたには紅茶あげたいこの昼休み
はっくしょん思わず声を上げたのは花粉のせいか誰か見てたか
淡々と使いこなしたタンジェント渡せなかった青アルフォート
下駄箱は一番下でめんどーで飛ばすスリッパ緊急着陸
地面には二つの影があるけれど短いほうが年上らしい
落日を家路の途中で見れたからアルマゲドンが訪れるかも
「先輩はこれからどこに行きますか」「たんぽぽが咲く知らないところ」
亜成層圏 翳りまぶしく見てられず光かならず正比例して
目安より少し長めにレンジチンこれで宇宙が分岐しました
冷凍パスタ 残るシャリシャリ春支度ぼくと同じで残すは孤独
ああずっと進路が靄に隠れてて教えてくれよ なぁレプティリアン
春の宵その左手に卒業を照らす丸筒うれしいつらい
〈今〉〈ここの〉エカント点で君を観るprom nightが終わらなければ
第2回短歌・俳句コンテスト【短歌】二十首連作部門『されど一歳差』 互井宇宙論 @tagai
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