甘き欲望

澄瀬 凛

甘き欲望

 さて。今夜はどれだけの、麗しき獲物たちを、相手にできるだろうか。

 その魅惑的な、様々な姿形を想像するだけで興奮してしまう。

 帽子にサングラスを着用し、顔はできる限り覚えられることのないよう注意する。

 男は喉を鳴らし、生唾を呑み込み、アパートを出る。


「いらっしゃいませ! 何名様でしょうか?」

「……ひとりです」


 男ひとりな身分に場違いな空気を感じつつ。

 タイミング悪く鳴ったお腹の音に居心地の悪さをおぼえつつ。

 にこやかな女性店員に迎えられ。



 いざ、スイーツバイキングへ。

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甘き欲望 澄瀬 凛 @SumiseRin

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