【短歌】流水麺はじめました

kozen-ta

流水麺はじめました

暑いからふたりざるうどん大根おろしが口内爆発する





痩せたかも去年の服羽織りみて寸分違わずジャストサイズ





あなたの書く数字の「3」はどこかあなたらしくて真似できない「3」





コンビニで本麒麟ほんきりん買う人と仲よくなれそうな気がする、たぶん





希望が残酷なら夢は地獄か 負けんな負けんな人生ゲーム





オーバーサイズのくすみTシャツがはしゃいでしまう夏日気温





失恋をしたからでなく過去からの脱却だねショートカット





髪を結ぶ姿に狼狽えた 気の合う女友だちだったのに





お母さんから個人情報晒されあたふたするのが友だち





呼び出して告白「え…あれ? 知らないの? 野球部の…」の途中で去る





長年隠してた秘密、あっさり話し昇華さす同窓会





机の中から固いパンとマーガリン それでもきみを好きだった/昭和の日





僕は美味しんぼとクッキングパパで料理を学んだと思う/昭和の日





夏授業赤い顔して下敷き仰ぎ机のタオルに寝る/昭和の日





君といた昭和最後の日 SANYOの14インチはどこへ/昭和の日





叫んでも届かぬなら念送るよ。頑張るな、きばるな、無理するな。





駒沢公園コマコーで遊んだら駄菓子屋へ 解散の合図はカレーの香り





よくかき混ぜてご賞味ください酸いも甘いも経験済みです





大学のグラウンドから運動部の声気だるそうな春逃げてく





湿布で冷やす不機嫌な弱みはやがていちばん脆い箇所へと





犬と猫世界平和を任されたならどっちが全うするんだろ





因果応報信じてるコンビニで1円足りないとか起れ





恨みある人に似た人見かけ、念。なんにもないトコロでつまず





はじめたばかりでおわりを数える 恋愛もたこ焼きも一年も





てのひらにいる超克ちょうこく飲み込んでスクワット百回やれ





駅弁目的で駅に行く不条理を叶える東京駅





最古の記憶は雪の日に近くの橋から落ちたトラックの色





大型連休は夏のやんちゃに慣れるための練習試合

※時期外れですがご勘弁を





セピア色の記憶に初恋を加え涙と後悔煮込みます





あざとさも小狡さもわかってる。わかってるけど、男ったらさあ。





指ワイパー何度も何度も擦る窓 雨の街はエモく霞む





もういいかい? まあだだよ……しっ黙って動かないで。まだ奴らがいる





秘するは悪意と赤裸々の敵意 戯言の如く揺れ動くなび





小中学足速かった。高校で井の中の蛙の意味知った





【好みを選べ】やさしい、ノリ・キャラがいい、金持ち、ドS、鬼、悪魔





元気/一日動きまわり食後パタッと寝る子供のこと、さま





元気/カップ麺を3分待たずバリバリ食べられる様子、さま





六月みなつきはせっかちさんひとり待ちきれず五月たちばなつきをかき乱す

※こちらもちょっと時期ずれてますが…





五月の東京は物静かで、街に慣れた人らを食い散らかす





運動会当日の朝の言葉にできないドキドキ、忘れてる





諫早の遠くから届く汽笛が子守唄のよう星空に溶け





待って、落としましたよ。あなたの叶えたい夢と未来の申請書





求めぬ頼らぬと決め己思うまま進めばやがて着く正門




















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