アフロディーテの微笑み
羽弦トリス
第1話出会い
いつの頃からか、とんと忘れてしまったが僕の初恋は小学生4年生の時ぐらいだったと思う。
その時、一際頭が良くて、かわいい女の子がいた。
香川さおり。
その子と話しを書いていこう。
小学校時代はまだ、スマホも無い時代だったため、交換ノートと言うのが流行っていた。
女子同士の交換ノート。……交換日記?だったか?
僕はある日、友美ちゃんが交換日記を読ませてくれた。
好きな男子の名前が、日記には書かれていた。
僕は、さおりちゃんが好きだったのでさおりちゃんの日記を読ませてもらった。
そこには、僕の名前が……。
だが、二番目だった。
理由は、面白いからだそうな。
当時僕はスカンクと呼ばれていた。こんな屁垂れ小学生が好きだとは、蓼食う虫も好き好きだ。
それを読んでから、僕はさおりちゃんを直視出来なくなった。
僕はさおりちゃんと手を繋ぎたかった。
ただ、それだけ。
僕んちの田んぼの近くにさおりちゃんの家があった。小学生の僕は親の手伝いで、稲刈りをしていた。
父親がコンバインで米を刈っているが、田んぼの四ツ角は、鎌で手刈りしなくてはいけない。
その手刈りが済んだら、遊んでいた。さおりちゃんちに遊びに行くと、さおりちゃんは僕にドーナツを食べさせた。
美味しくて、あの時のドーナツの味は忘れられない。
こっちは、長靴で田んぼの稲刈りの手伝いで小汚いのに、さおりちゃんは、全然嫌な顔をしないで、ドーナツとオレンジジュースを飲ませてくれた。
さおりちゃんの好きな男子第2位の僕は、さおりちゃんの優しさに小学生の頃だからどう表現したのか分からない。
夕方6時は秋の夜は早い。父親が稲刈りを終えて、母親と一緒に軽トラで帰るので、さおりちゃんに、
「今日は、ありがとう。あの、ドーナツ、どこに売ってるの?」
と、尋ねると、
「カコイって言う、お店だよ」
と教えてくれた。そして、また、遊ぼうね。と、言われ僕は嬉しくて、翌日の月曜日から集団登校の朝は、ずっとドーナツの話しをした。
あの時代に、小学生で手を繋ぐなんて無かった。
昭和天皇が崩御され、平成に代わってすぐの出来事である。
色んな出来事があるのだが、今回はさおりちゃんの優しさを書いてみた。
実は、さおりちゃんはすっごくエッチな女の子だった話しを書いてみたい。
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