第53話 先輩と後輩と同期は思いをはせる
【四人でスイーツ店めぐりをする前日の夜】
SIDE:加後
明日は
桜場さん、か……。今まで私に声をかけてくれた男の人とはどこか違う人。初対面であんな姿を見せてしまった私なのに、下心なしで何かと付き合ってくれる人。雰囲気で分かるんだ。お姫様抱っこも全然イヤじゃなかった。
……ホントは桜場さんと二人がよかったけど、同島さんと桜場さん、すごくお似合いだった。それにデートもしてたみたいだし。
それを知ったら、もう桜場さんと二人で出かけることなんてできないよ……。
それに、同島さんたちを試すようなことまでしちゃった。
そして桜場さんがデートに誘ったのは、同島さんだった。つまりそういうこと。
だからいいんだ、同島さん大好きだから! 私からはもう何もしない。明日は思いっきり楽しもう! でも、チャンスがめぐってこないかなとほんの少し期待するだけなら、いいよね?
—————————————————————
SIDE:同島
明日は四人でお出かけだね。お花見の時以来かな。それにしても
それに先名さんが一緒に行きたいってお願いしてくるなんて。もちろん大歓迎だけど、ホントにスイーツが好きなことだけが理由なのかな?
うぅー、いけない! 大好きな二人を疑うなんて。……二人、か。桜場を入れて三人?
あぁー、ダメ! 先名さんに相談してから私おかしいのかも。桜場の何気ない一言でも気になっちゃう。
まさかあの桜場とデートをすることになるなんて。二人飲みもデートといえばそうかもしれないけど、今になって思えば毎回よく付き合ってくれたなぁ。断られたことなんて一度も無かったし。
桜場がグチを聞いてくれる安心感があったからこそ、仕事頑張れたもんね。もしかして私は桜場がいないとダメなのかも?
桜場は私のことどう思っているんだろう? たまに恥ずかしいセリフを言ってくるけど、なんだかすごく嬉しくなるんだよね。そんな言葉をちょっと待ってる私もいたり。
明日、どうなるのかな?
—————————————————————
SIDE:先名
明日は四人で出かけるのよね。お花見以来かな。同島さんに無理を言って参加させてもらったけど、行き過ぎた行動だったかしら?
でももし私が加後さんの立場だったら、きっと私もみんなで行こうって言ってたわね。だからこそ加後さんが心配。
二人とも本当にいい子だから、私にできることであれば協力したい。それに同島さんの相談を受けてからは、応援すると決めたんだもの。
桜場くん、か……。初めて会った時は加後さんをお姫様抱っこしていてビックリしちゃったな。もしかして変な人なのかも? って思ったのよね。
お花見で二人になった時、好きなタイプを聞いたわね。ちょっとからかうだけのつもりだったのに、私って言われて動揺しちゃった……。
上手くごまかせたと思うんだけど、そのあと見つめ合う形になってしまって、慌てて「彼女いるの?」って聞いたけど、もしもあの時にデートに誘っていたら、どうなっていたのかな?
なんて、今考えても仕方のないことね。こんな私を同島さんと加後さんは慕ってくれてる。そんな思いに応えるためにも、私だけは常にみんなを気にかけていないといけないの。
私が一番年上なんだから、みんなのイメージ通りの頼れる先輩でいられるように、みんなに心配かけないようにしないとね。
それなら私は誰に頼ればいいのかな……?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます