第5話

過去編


ある後輩との過去


ある先輩が購買で何も売ってなくてお腹をすかした俺にパンをくれた。


「・・・ありがとうございます」


「いいよ。あとそれで奢りだから返さなくていいからね」


「で、でも悪いっすよ」


「いやぁ、悪いのは俺ら2年だしね。酷いよね。教室から近いって学食の占拠して、購買も買い占めして」


「はい」


「俺さ、本当はクラスメイトだし、止めないといけないけど、俺の言葉じゃ聞いてくれなくて」


「・・・いや、そんな」


「あ、それより、そうだ!!見てたよ!!昨日のライブ


「えっ??」


「いい演奏だったよね。良かったよ!!」


後輩は思い出す。学校に演奏をするから来て欲しいと言ったが、友達しか来てくれなくて少しショックだったことを


「ほら一年生達だけだったから、少し入り辛くて、遠くから聞いてたんだ!!」


「そう、そうだったんですか」


「次の演奏いつやるか教えてもらっていいかな?」


こうして、後輩達にはいつも演奏を聞いてくれる先輩が一人だけ居た。


だが、

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る