第21話定番+定番=新しくておいしい!!

待つこと10分。

四季神さんは、奥の倉庫からたこ焼き器を持ってきた。


「翔子?それたこ焼き器じゃん!!スイーツを作るんだよ?」

さくらさんは、四季神さんが持ってきたものを見て、ホントにスイーツが出来るのかという様子を見せた。


「大丈夫!たこ焼き器の可能性は無限大だよ」

一方の四季神さんは、自分のアイデアにかなり自信があるようだった。

四季神さんは、ホットケーキミックスや、卵、牛乳などを混ぜて、生地を作った。

そしてその生地をそのままタコ焼き機に流し込んでいく。


「これなに作ってるの?」

さくらさんが尋ねる。


すると、四季神さんは驚いたように目を少しだけ見開いて答えた。


「ベビーカステラだよ。文化祭とかではよくやる作り方だし、知ってると思ったんだけど、、、ってか、去年の文化祭の時に一緒に食べに行かなかったっけ?その時に見たと思うんだけど、、、」


「た!!!、、、確かにそんなこともあったねー、、、」

さくらさんは慌てて共感するそぶりを見せている。はっきり言ったバレバレだ。


と、そうこうしているうちに、四季神さんは焼きあがったベビーカステラをトレーに取り出し、いつの間にか用意されていたクリームとプリンとシリアルを順番に乗せたパフェの上にこれでもかというくらい載せていく。最後にはちみつをかけて、こちらに出来上がったものを持ってきた。


「こんなのはどうでしょうか」


「これは、、、すごい見た目だな」

パフェの上に、山のように盛り付けられたベビーカステラは、さながら富士山のようにも見えるほどだった。いや、東京ブリリアントタワーの方が、、、って、この時代にはまだ建ってないか。まあでも、見た目も派手だし、「映える」とかいう目標は達成できてるし、いいのではないだろうか。

と、俺はそう思った。続いて大地さんも、賛成した、、、のだが。不服そうな人が1名。


「これじゃぜんぜん新しくないよ!!!パフェもベビーカステラも、ずっと昔からあるじゃん!!」

思い出した。そういえばさくらさん、新しくないとダメみたいなこと言ってたっけ。


すると、四季神さんがそれに反論するように言った。


「それは違うよさくらちゃん。だって、考えてみて?キュウリにはちみつをかけたらメロンになる。プリンに醤油をかけたらウニになる。醤油せんべいをバニラヨーグルトにつけると意外とおいしい。新しいものは、今あるものの組み合わせで出来上がっていくの。」


??????????????????

全く意味が分からない。怪文書か何かか。大地さんを見ると、同じように困惑しているようだった。

しかし、そんな怪文書じみた言葉で、さくらさんは

納得したようで、


「なるほどね!!既存+既存=もっとすごい何かができる。なら、定番+定番=もっとすごい、新しくておいしいものになっているはずだわ!!ありがとう翔子。これで行きましょう」

と関心を示すと、ふたりはそのままひしっと抱擁をかましている。

俺はというと、怪文書+怪文書の、全く理解できない空間で、しばらく大地さんと共に理解に苦しみ続けたのだった、、、

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