13 あの子


あの子に 憧れる

あの子は わたしが持っていないものを持っている

わたしとあの子は他人だから 持っていないものを持っていて当然

でも わたしは「あの子みたいに」と願ってしまう

自分の頭と心も 赤の他人だった


あの子は 振り向かない

あの子は わたし以外の他人を当然のように受け入れる

だから わたしは「わたしのことは受け入れないくせに」と卑屈になる

結局 わたしもあの子に惹かれてる


あの子の周りには いつも誰かがいて

あの子は その誰かに微笑んでいる

結局 わたしは どうしてあの子に微笑んで欲しいのか わからない



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