第25話 地下50階の謎

次の日、ジョーカーとマルシャは近くのショッピングモールに行くと言った。

まぁ、2人一緒なら平気だろ、と俺はくれぐれもスキルを発動しない様に言い聞かせて2人を送り出した。


さて、俺は何するかな?


午前中はリリーとふうすけともふもふしながら遊んでいたが、流石に退屈である。

腹も減った。

仕方ないので、駅前のカフェレストラン『ココ』に向かった。


ココは結構お客さんで埋まって居て、相席ならOKという事だったので、どうせ飯を食うだけだし良いや!と思って相席を頼んだ。


「こちらのお客様と相席お願いいたします。」


案内された場所に居たのは、ブラックダイヤNo.2の城戸京平だった。

ジョーカーに初戦で負けたやつだ。


かなり気まずい…


「お前か…

まぁ、いいや、座れよ。

あの魔術師の男は居ないのか?」


「あぁ、ジョーカーはショッピングモールに出かけてる。」


俺はそう答えて席についた。


「あんな一勝で俺に勝った気になるな、と伝えておいてくれ。」


城戸は言う。


「分かったよ。はぁ…」


俺はメニューを見ながら答えた。


結局ハンバーグパスタにした。


「ところでブラックダイヤは地下50階まで制覇したんだってな。」


俺は言った。


「あぁ…

だがな、江波、不思議なんだよ。」


「?

何が?」


「地下50階には下への階段が無いんだよ。」


城戸は衝撃の発言をした。


「何だって!?

と言う事は地下ダンジョンは地下50階で終わり…?」


「いや、そうとも言い切れない。」


「どうしてだよ?

下への階段が無いんだろ、だって?」


「国家機密扱いの情報だ。

全ては言えないが、ヒントくらいは与えてやろう。

スキルには色々な種類がある事がわかっている。

戦闘系のもの、物作り系、召喚系、とかな。


さて、ここで問題だ。

飼育やテイムのスキルを持つ奴は中に幾らか居る。

だが…

居ないんだよ。」


「…何がだよ?」


「ブリードのスキル、、またはブリーディングのスキルを持つ奴が、1人もな。」


「はぁ…?

それがどうしたって言うんだ?


たまたまじゃ無いのか?」


「鈍いな。

お前。

とにかくヒントは伝えたぜ。

俺はこれから地下ダンジョンに潜る。

じゃあな、江波、ご馳走さん。」


そう言って城戸は俺に勘定を押し付けて帰っていった。


ブリードって、要するにモンスターを交配させて繁盛させる事、だよな?

なぜ、ブリードのスキルを持った者が居ないんだろう?

そして、それと、地下50階の謎と何がどう関係があるのか?


俺にはさっぱり分からなかった。


とりあえずハンバーグパスタを食べて腹を満たし、屋敷に帰って行った。

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