第20話 いざ、ダンジョンへ

俺たちは簡単な朝ごはんを食べて地下ダンジョンに出発する事にした。


「ヒールリングと水竜の牙の剣はマルシャが持った方がいいよな?」


俺は地下鉄で移動しながら、確認する。


『はい、使えると思います。』


『僕、イラナイ☆』


と言うわけで、平和的にマルシャが持つ事になった。


地下ダンジョンの地上入り口に到着し、ジョーカーが従魔である事を神崎さんに確認した。


「うーん、まぁ、日本ダンジョン委員会から聞いているから、大丈夫よ。

だけど、どんどんパーティメンバーが増えて行くわねぇ?」


「あはは…」


俺は乾いた笑い声でそう答えた。


「地下ダンジョンに入れるパーティは従魔を入れて8人までよ。

もちろん、ふうすけちゃんも含めて、ね。」


「わ、分かりました。」


俺はそう挨拶して、地下ダンジョンに入った。


さてさて、マルシャの実力を拝見しようじゃないか?

と、思って居たら、ベビースライムが現れた。

マルシャは水竜の牙の剣を一振りすると、ベビースライムは真っ二つにちょんぎられて、消滅した。


つ、強い…!


スキルを見て、強いだろう事は予想して居たが、想像以上だ。


1階のキングベビースライムとビッグブラックウルフもマルシャ1人で仕留めた。

ジョーカーは強い敵じゃ無いとやる気が出ない☆と、あくびしながら後ろから付いてくる始末だ。


しかし、地下2階、3階とふうすけ、俺、マルシャだけで、十分お釣りが来るくらいの活躍だった。


地下4階に降りると、そこは森のダンジョンだった。

ジョーカーはやっとやる気無さげにサイコロを回し始めた。


魔熊が4体現れた!


『サイコロ、サイコウ♡

出た目は7。

サイコウハッズレー!』


「は、は?

ハズレって何だよ!

そんなのあるのか!?」


『あるよん★

7はハズレ★(^^;;』


「良いから、次振れー!」


俺は魔熊を呪いの剣で倒しながら叫ぶ。

この呪いの剣は一撃でも攻撃が掠ると、呪いが発動される。

具体的に呪いとは、スピードが1/5になり、魔力が1/3に、HPは動くたびに1割減っていくのだ。

かなり優秀な剣だと言える。


ジョーカーが最殺をもう一度振る前に片がついてしまった。


そうして、俺たちは地下4階を突破し、地下5階に降りた。


「あれ?

エナミさんじゃ無いっすか?」


シングルダイバーにそう声をかけられて振り向くと、ダイバー・論がいた。


「おぉ、論君!

君も潜ってたのかぁ!」


「はい、動画いつも楽しみに見て居ますよ。」


論君は言う。


「論君は帰り?」


「はいっす。

そろそろ上がろうかと。」


「待ってよ、俺たちもここまでで上がるから。

一緒に行こう。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る