第4話 毒の玉

俺はポーションを飲み(中々美味かった)、傷口が治るのを待つと、またダンジョンを探索し始めた。


ブラックウルフ5体が現れて、やべぇ!と思ったが、あの毒の玉を使ってみる事にした。

俺は毒の玉を頭上に掲げて発動する。

すると、玉から毒煙がモクモクと現れ、ブラックウルフは殺虫剤に殺される蚊のように、か細い悲鳴を上げながらのたうちまわり、死んでいった。


す、す、すげえ…!

これが、1500円!?

しかし、使用回数は何回くらいなんだろうか?


毒の玉は普通RPGでは消耗品のはずだ。

しかし、使用回数の記載も無い…

ん?

玉の中に9って文字が浮かんでいる!


あと9回使えるのか!


しかし、これはピンチの時に取っておこう。


3体までのブラックウルフやベビースライムなら、俺だけの剣で問題無いはずだ。


そして、宝箱を開けつつどんどん進んでいった。

そして、いよいよ地下1階のボス戦だ!


現れたのは、ビッグブラックウルフ、キングベビースライムだ。


「ど、ど、毒の玉!」


俺は毒の玉を発動した。

キングベビースライムは一撃で倒れたが、ビッグブラックウルフはそうはいかないらしい。

毒のデバフを負いながらも、俺に攻撃してくる。

俺は剣で鋭い爪を受け止めて、斬り返す。


ダメだ!

通じない!


ここはもう一度毒の玉に頼るしか…!

俺は逃げ回りながら、毒の玉を発動した。


「グハァぁぁぁぁ…!」


ビッグブラックウルフは毒で最後のHPを削り倒れていった。


よっしゃあぁぁぁ!

地下1階クリアしたぞーーーー!!!


俺は地下2階に降りて、その風景を証拠としてスマホで撮ると、その日はそこまでにして地上に帰った。


行きは各階にボス戦があるが、帰りは無いようだ。

助かった…

毒の玉はあと5回にまで使用回数が減っていたのだ。


俺が地上に上がると、アイテムバッグの中身を東雲という男に差し出した。


◯ブラックウルフの牙×5本

◯薬草×3本

◯スライムの粉×4個

◯ブラックウルフの肉×3個

◯懐中時計×1個

◯毒の玉×1個

◯リキュールウォーター×2個

◯ブラックウルフの牙の剣×1本


だった。


「ブラックウルフの牙の剣は買い取りなら、2000円。

買い取りしないなら、そのまま渡すが、どちらが良い?」


東雲さんは言う。


うーん、異世界ネットショップで武器は買えるしなぁ。

2000円欲しいしな。


「買い取りでお願いします!」


「じゃ、全部で2万8500円だ。」


そう言ってお金を渡された。


やった!

初給料だ!

てか、これは金になるぞ!


「しかし、毒の玉なんてレアアイテムがよく地下1階にあったな…」


東雲さんが不思議そうに言う。


「あはは…

偶然で…」


とだけ答えた。

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