異世界転生者の大失敗 パート2
弥生
第1話
職業は無職でスキルは生活魔法・・・
やっちまったなぁ
村中から白い目で見られて、これからちゃんと祈ればスキルは増えるよっと慰められた。
それからの俺の日課は、農家の職業を貰った女の子より手際が悪くて時間がかかる農作業を朝から午後3時まで頑張って、毎日教会で何でも良いので職業やスキルをくださいと祈り続けることだった。
他の人より物凄く出遅れている以上、回数をこなすしかない!
週一回なんかじゃ足りないんだ!
雨が降ろうが雪が降ろうが魔物が襲ってこようが欠かさず教会へ行った。
そして、1年経ち俺が受けられる2回目の選定の日になった。
6歳の選定の儀を受けるのは女の子1人だけ。
職業:薬師/スキル:水魔法・調合・鑑定
薬師って微妙って俺は思ったが、周りはとても喜んで褒めたたえていた。
今、村にいる薬師は50歳を超えていて後継者が全くいないから、どうしようってなっていたらしい。
村中に大事にされる勝ち組の職業なんだね・・・。
羨ましい。
村人の選定になって、年配の人から順番に水晶に触っていく。
今までと職業/スキルに変わりが無ければ何も無い。変化があると水晶が光り輝く。去年も何人かはスキルのレベルアップやランクアップをしていた。
俺も輝かせてやると意気込んでいると、前の方で同期の農民になった子が水晶を輝かせていた。採取のスキルが増えたようだ。
羨ましい。
俺の番。輝いてくれ~
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
やった、光った!俺も新たなスキルをGET出来たんだ!
神父様が発表してくれる。
「職業・・(職業が得られたのか!?)・・・大道芸人?」
・・・大道芸人・・・えっと農村で活躍の場はあるのか?
周りも聞いたことのない職業にざわついている。
ちょっと泣きたくなった。
「スキル・・(スキルも得られた!?良いものでありますように)・・・ナイフ投げ」
・・・あれだよね、相方の頭にリンゴのっけてそれに向かってナイフを投げるってやつ、役に立たなさそうozr
皆喜んでいる。俺を嘲笑って楽しいのか!?と顔を上げると
「おめでとう!これで猟に一緒に行けるね」と同期の猟師になった子が言って来た。
そうか、ナイフ投げってナイフで戦うスキルってとらえられたんだね。
ここでも前世の記憶のせいで疑心暗鬼になっていた。
無職の人が職を得るのは難しいって話だったから【大道芸人】って何だろうって言いながらも皆凄く祝福してくれた。
しかも、スキル【ナイフ投げ】はナイフとナイフホルスターが付属していたんだ。
1本だけだけど、手元を離れて20秒後にはホルスターに戻ってくるらしい。
ナイフは高くて何本も買えるようなものじゃないから凄く助かる。
今までは職業もスキルも無くて危ないからと農作業しかできなかったけど、明日からは猟に行けるんだ!
動物を狩って、強くなって、スキルがランクアップするように頑張ろう!
教会も出来る限り行って、今度は魔法がGET出来るように強く祈ろう!後、出来れば大道芸人じゃなくみんなが分かるような職業を得たい・・
なぜ【なんでも良いから】と祈ったんだ!俺!
少~しずつ前に進み始めた俺の異世界転生生活。
何とかなりそうだ!
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