左目、神眼、右目、魔眼。

石川タプナード雨郎

第1話 暇のような、そうでないような、

がやがやと五月蠅い教室に案内された明智臣蘭丸はこう切り出した。

え~皆さん、どうも初めまして明智臣蘭丸と申します。

見たところ血気盛んなお人ばかりのご様子で何よりですが、

こう見えて争い事は苦手でして、極々平和に学校生活を終えたいので

皆さんご協力の程をよろしくお願いいたします。

挨拶の後に案内された最後列の席にゆっくりとした歩みで座った。

それから何事も無く午前、午後と授業を受け放課後、帰宅しようとした

刹那、隣の薄ら笑いを浮かべる足軽が声をかけてきた。

明智臣蘭丸君だったよね?放課後、校内を案内してあげるから付き合わないか?

そう、それは助かるねえ。じゃあお言葉に甘えようかな。

じゃあまず眺めのいい屋上から案内するから行こうか?

そうだね、お願いするよ。

お互いにニコニコしながら屋上への階段を昇り始めた足軽と明智臣だった。

互いの思惑など知りもせずに。

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