たなか伝記
@hahyaaa
第1話 たなかの奇襲
4月の春風が教室の窓から吹き込み、新学期の始まりを感じさせる。中学一年生、35人の1組は新しい期待で満ちていた。佐藤は、仲良しグループの中岡と風間と共に、一番後ろの席に座っていた。
俺は笑顔で中岡と風間に声をかけた。「また一緒のクラスだな。相変わらず元気だな。」
中岡は大きな声で答えた。「当然だ!また一緒に楽しいこと、やろうぜ。」
風間は微笑みながら、机の上の兵隊や戦車のミニチュアを並べて眺めていた。
「そんなことより見てくれ。かっこよくないかこの軍隊。最近手に入れたんだ。」
中岡は少し心配そうに言う。「そんな豆軍隊、先生に見つかったら一蹴されて終わりだぞ。」
この二人とは一番付き合いが長い友達だ。
中岡は何事にも全力の男。じゃんけんにさえ全力を出すから心の中で情熱大陸って呼んでる。
風間はミリタリーオタクだ。いっつも兵器・銃・戦術について考えてばかり。たまにとんでもないことを言うことがあるから、いつかクーデターを起こしそうだ。
その時、担任の森内先生が教室の扉を開け、クラスに向かって話し始めた。「皆さん、静かに!今日から転校生が加わります。」
しかし、教室には誰も入ってこない。先生は少し困惑した表情を浮かべていると、
突然後ろの扉が開いて、一人の少年が堂々と入り、黒板の前に向かって歩き出した。
クラスがざわついている中、先生は転校生に自己紹介を求めた。「じゃあ、自己紹介をお願い。」しかし、少年は一分ほど黙っていた。そのうちクラスのざわめきが少しずつ収まり、寝ていた人も目を開け、全員が少年に集中するようになった。
静まり返った教室で皆が固唾を飲んで見守る中、少年が話始める。
「諸君こんにちは、僕の名前は田中。今日からこのクラスに加わったことをとても嬉しく思ってるよ。僕の目標は、ただひとつ。僕の伝記を書いてもらうこと。その為にこの学校で、すごいことを成し遂げて伝説を作るんだ!。」
田中の言葉がクラス中に響き渡り、彼の眼は輝いていた。
これが伝説の始まりだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます