第3話ー4.5「ヒーロー」

 プールの授業も終わり、シャワールームで洗い流そうと着替えていた時、隣のシャワールームに入っていくマリーさんのとてつもないサイズの胸に胃が委縮しつつ、髪を洗い流した私はシャワールームを後にした。


 脱いだ水着を手に取り、タオル一枚だけの私に一糸まとわぬ姿の暁は近づいて来た。


 「やっぱり、妃夜。可愛いよ。眼鏡無い方が全然いいのに!」


 たった一瞬の出来事とはいえ、私の心はさざ波のように激しく揺れた。

 すぐさま、その場を逃げ出し、そのまま、うずくまり、暁が消えるまで、着替えることは無かった。


 「本当に可愛いのに・・・」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る