怖いシチュエーション

龍宮真一

1つ目 隙間

 隙間は怖い。

 誰が何と言おうと、怖い。

 隙間があると、出来れば無くしたくなる。

 扉ならば、閉める。

 家具と壁の間ならば、布をかけるとかして見えないようにする。


 個人的に知っている隙間を扱った会談も結構な数があるから、この気持ちは思っている以上に多くの人に共感してもらえるのではないかなと思っているが、どうだろうか。


 隙間を扱った会談で特に嫌な記憶として残っているのが、3ミリの女。

 いや、5ミリ? 1ミリ? 細かいことは忘れてしまったが…

 内容はざっくりと次のようなものだ。


 Aさんの友人が学校(もしくは職場)に来なくなった。

 連絡すると、彼女が居るから行けないと言う。

 何日も続くので、Aさんは友人の家に様子を見にいくことにした。

 友人の家に着いてチャイムを鳴らすと、鍵はかけてないと言うから入ってみる。

 部屋にはやつれた友人がいる。1人で。

 お前1人じゃないか。

 と言うAさんに対して、友人が言う。

 何言ってるんだ、彼女がいるんだ。

 どこに?

 そこだよ。


 友人が指さしたのは、食器棚と壁の隙間。


 そこに、その数ミリの隙間に、確かに女が居たのだ。



 個人的に、これを聞いてから隙間がさらに嫌いになりました。

 そうして生まれたのが…電車にまつわるウワサの、第3話なのです。

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