第4話 仲間。



「根男。根男」


 ん?

 俺をクソダサネームで呼ぶ奴はどこのドイツだ?


「初めまして。根子ねこです」


 うわぁ、俺以上にカワイソウな名前の人いた……



 というか、どこからしゃべってるんだ?

 名前に「根」がついてるということは、同じ根っ子だよね?


「そうよ。同じ根っ子仲間よー」


 やはり正解な。

 俺天才。


「アンタが中々覚えが悪いから、話しかけられなくて困っていたのよ」


 あれぇ、俺って落ちこぼれの方?


 というか、久しぶりに見てみるか。


「ステータス!」


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 種族名 世界樹の根っ子

 レベル 10

 個体名 根男

 スキル 穴掘り(Lv.15)、水飲み(Lv.10)、同族意識

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 おおお。

 我ながら結構成長したなー。

 落ちこぼれとかどうでもいい。

 大切なのは、以前の自分自身と比べて成長を感じることなのよ。

 他人と比べたって、ストレスになったりやる気なくしたりするだけで、なーんにも良いことないんだわ。

 根拠は無いけどそんな稀ガス気がする


 それで、仲間と会話が出来るようになったのが「同族意識」のスキルが生えたからか。


 それ以上に驚きなのは「***」になって見えてなかった種族名が表示されていることだ。



「世界樹の根っ子」



 世界樹!

 俺がファンタジーな小説で良く登場する、あの有名な樹の根っ子だった件。

 そうか、そんな大層な存在だったとは……。


「何、その様子だと、アンタ今知ったの? 世界樹のこと」

「ああ」

「レベル5で表示されるのにねー。ステータス見なさすぎじゃない?」

「すまない」


 どうも「根子」は女性のようだから、素直に謝っておく。

 記憶は無くしても女性への気遣いスキル(パッシブ)は無くしてなかったようだ。

 確かに、記憶よりも重要なスキルだからな!


「べ、別に言い過ぎたわ。ステータス見過ぎなヤツの方が問題だし……」


 というか、同じ世界樹の根っ子の性別は、統一されてるワケじゃないんだなー。


「根男。根男ってば」

「ん? ごめん。なんの用だ?」

「キミが最後で、ずっとキミと話せるようになるのを待っていたのよ。これから根っ子仲間の集会を始めるわよ」




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