あなたに愛を伝えたい。
夢霞。
宮野紗季
私はずっと色んな人から愛を伝えられて来た。「好き」「大好き」「愛してる」そんな言葉はもう聞き飽きた。”こんな世界に本物の愛なんてない”ずっとそう思っていた。彼に出会うまでは。
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体育館裏で声が響いた
「紗季さん!好きです付き合ってください!」
あぁまたかなんて思いつつ
「ごめんなさい、今は恋愛する気ないの」と丁重にお断りする。
「そうですよね、ごめんなさい、」
わかってるならしないでほしいなぁと思いつつその場から去る。
教室に戻ると友人から声をかけられる
「紗季〜また告白されたんでしょ!いいな〜私もそんぐらいモテたい!!」
味わったことないからこれがどれだけ大変かわからないんだろうなぁ
「えぇそんなことないよ笑」
なんていつも通りの会話をして家に帰る
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「ただいま〜」
いつもよりリビングが騒がしかった
何があったのかと思いながらリビングに入る
「あっ紗季おかえり、今ねお父さんから連絡があってね転校することになったのよ」
「しかも一週間後、すぐに」
急なことすぎて頭が追いつかなかった
別にただ転校するだけなのに頭が追いつかなかった
この時には気づかなかったけど私は転校先で何かがあると感じていたのかもしれない
「そうなんだ、わかった」とだけ言って部屋に戻った。
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え、この気持ちは何。ただ転校するだけじゃん。なんでこんな気持ちになってるの。友達とは連絡交換してる。大丈夫。何なんだろう。
今まで生きてきた中で感じたことのない感情になり私は焦っている
この時の私は何も出来ない、何も考えることが出来ない人となっていた
明日には課題の提出がある中そんなことも忘れて眠りについた。
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「おはよー」「おはよー!」
教室にみんなの挨拶が響き渡る
私は昨日やり忘れていた課題をやっていた
「おはよー紗季!あれ珍しいね課題やってないなんて」
「あーまぁね」
「なんかあった?」
「ううん!ちょっと忘れてただけ!」
なんて言って昨日の気持ちのことは言わないでおいた。
ー30分後ー
「よーし終わったぁ、!」
「お!終わったか間に合ってよかったね!」
それと同時にチャイムが鳴りホームルームは始まる
ホームルームが始まると言うことは私が転校すると言う事を先生の口からみんなに伝えてもらう、と言うことだ。
「よーし、伝えるべき連絡事項は伝えたかな?じゃあ最後に大切なお知らせです。」
「宮野さんが一週間後に遠くに引っ越すことになりました。」
静かな教室の中に先生のその言葉が響いた
その後は号令があり、ホームルームは終わった
「紗季ぃ!なんで転校すること言ってくれなかったの!」
案の定友人が話しかけて来た
「いやぁ、後で先生言うしいいかなって、」
「1週間後とかすぐすぎでしょ!!昨日連絡でもしてくれればよかったのにぃ、さみしーよぉぉぉぉ!!」
「あはは、でも連絡先交換してるし大丈夫だよ」
「そうだけどぉ、」
こんな会話を一週間して私のここでの学校生活は幕を閉じた。
そして私は彼のいる高校に転校してきた。
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