第4話 初心者に理不尽なイベント
「ありゃ、まだ万電帳のマップ機能が解放されてねぇ」
「神様が入れ忘れた……とか」
「んなわけあるか。最高のスキルとか言ってんだから流石にないない。というかお前も使ってたんだから、これの使用頻度はわかってるだろ?」
「まぁそうだけど……」
「ってお前マジでいい加減にしてくれよ」
「ん?」
国王に説明した際にのこと。
「私が笹兎」
とか言い出した時には場が一瞬で凍りついたんだからさ……。
その後も妻とか別キャラの名前を取り出したりして、全くもって話が続けられなかった。いやまぁ、こんな性格にしたのは自分なんだけどさ……。
「てへへ〜」
「てへへじゃねぇよこのアホ主人公」
「こんな性格にしたのは笹兎だよ〜だ」
こんな会話は無駄なので強制的に終了させた。
「そういえば笹兎って欲しい人っているの?」
「う〜ん………いやまぁ、現環境で最強の『女神シュリーナ』とか引きたいが……いかんせんガチャ回すための石やらカプセルやら欠片が足りん」
事実、結束の欠片、魔法石、高濃度エネルギーカプセル、勇気の紋章のどれひとつとして持っていなかった。
「あと…….まだイベントが来てないんでしたっけ?」
「ああ。まず俺のガチャの内容についてお前まだあんまし知らないんだよな?」
「お前じゃないです」
「……..まだ知らないんだよな、天宮」
「……別に名前で呼べばいいのに」
「あーーーー!!わかったよ!沙月!これでいいだろ!」
……ほんとにこいつの考えていることがわからん。
「やった〜♪」
閑話休題
ガチャの仕様として、通常ガチャとイベントガチャの二つに分けられる。
通常ガチャは3種類。SF系、魔法系、主人公系の3種。
SF系は高濃度エネルギーカプセル。魔法系は魔法石。主人公系は勇気の紋章で引くことができる。ただし、基本的にそれでそれらを使うのは得策とはいえない。
なぜならイベントガチャでも使うことができるからだ。
んじゃあ、通常ガチャは引かないのかといえばそうじゃない。他のソシャゲのように、『チケット』というものがある。
これは通常用とイベント用で分かれていて、基本的には通常用が貯まったら、引くといった感じでいいのだ。
ちなみにイベントガチャは少々特殊な扱いとなっていて、例えば『神杯祭り』というガチャイベントがある。それは今挙げたガチャ引き用アイテム(結束の欠片は例外)では引くことができない。
そのガチャを引くためガチャ引き用アイテムは……
『同時刻に始まるイベントにて交換という形で入手が可能となっている』
なので、事前に貯めておく…..というのが通用しないというのが俺のソシャゲイベントとなっている。
結束の欠片に関しては普通に使うのは大馬鹿者。
そこまで入手ができず、入手方法も限られているため、基本は使わない。しかし環境キャラなどを完凸したいが足りない時などに使うのが大体。要は推しキャラのために使うのが基本なのだ。
「とまぁ、そんな感じだな」
「ふむふむ…….SF系は高濃度沙月カプセルで魔法系は天宮石を使えばいいのか」
「ちっっっっっっげぇよ!!!」
んなだよ高濃度沙月カプセルってなんだよ。変態が買いそうだな!!
そんな時、いや〜〜な音がしたのだ。
ピロン
この音は、イベントの告知が来た時を知らせる通知の音。
「…………嘘だろ??」
恐る恐る開いてみると、先ほど話していた
『神杯祭り』
の四文字が………
「…….今来てどうすんだよ…….まだ集め方すら知らねぇのに…..」
神を早々に恨むことになるのだった。
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