断章ノート

屑木 夢平

三躁四鬱、あるいは僕の一週間


彼女にとって僕はハンガーだ。愛というコートが型崩れしなければ、どのハンガーを使ってもいい。


   ◆


やる気を。勇気を。健康な体を。迷いに負けない心を。生きる意味を。


   ◆


泣いてもどうにもならないが、泣きたいときには泣くしかない。涙も流せなくなったら、僕はいよいよ死ぬしかないのだから。


   ◆


自我とはクソである


   ◆


喜びが行き詰まっている。

悲しみが行き詰まっている。

夢が行き詰まっている。

才能が行き詰まっている。

運が行き詰まっている。

今日が行き詰まっている。

明日が行き詰まっている。

人生が行き詰まっている。


   ◆


記名性の悲しみを胸に匿名性の希望を目指して走れ


   ◆


夜明け前の海を行く貨物船よ

運んでおくれ

僕の取り戻したいものすべてと

手放したいものすべてを

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る