【短歌】きみとぼくと

kozen-ta

きみとぼくのふたりの31文字

ルッキズム流行ってるけど僕は誓うよ 君が火星人でも好き




猫のごとく忍び寄り「右耳の下なの」と目を閉じ鼻呼吸




つまづいて「だいじょび?」「ボンジョビ」「アンチョビ」とふたりボケ倒す午後




あのねから始まる物語大事そに紡ぐ言葉が舞う笑う




「可愛けりゃいいのかよ!」と毒づくあなたは充分かわいい人




ぼくらしく語るよ今日も明日もなぐさめやチカラになれんけど




すきなんだポニーテール 君の最終兵器だと知ってても




真夜中デートは朝までの時限爆弾 時間切れまで笑む話す




傘さしてるのに顔見えないのにきみだとわかる不思議、雨の日




虹のはじめを見に行った女の子 大人になってぼくのとなりに




暖かくなると思い出す 休み時間のボールを追う君のポニーテール




「眠れなかった」の代わりに「お腹減った」上目遣いの君のオーダー




貸してあげたシャツは君のモノ、貸してあげたデニムも君のデニム




ゴメン、生理的に受け付けないあなたの声 だってぼく声フェチ




やわらかな風をくれるきみ、時たまかくんとつぶやく。いいよ聞くよ。

※扇風機さんへ




女子が好むモノすべて苦手なきみが重機好きなとこスキ




ううんそんなことないよという君、ずっと目の奥が笑っていない




弾けたり溢れたりこぼれたりとびきりだったり忙しいねきみ

※笑顔




僕らの生き死に入れ替わったらなんて愚問やめとく。麺のびるよ




連休は食う寝る食寝だれるでしょときみ。違うちがうそうじゃない

※食寝るは造語




君が笑うなら僕は何になるか向日葵か堕天使か聖人か




だんだん似てくるってほんとかなどうだろと互いの真似でする返事




ねえ、イケてるよね? イケてるよね? 「はい、はい」とそっぽ向きかるく流され




大谷さんの年の頃、ぼくは屑くず。何者でもなくなにもせず




芝生はだしで歩きたい。聞こえぬふりするしかなくて、きみの声




ねぇきみのすきな素数おしえてよ。えっ、 ぼくはちくわの磯辺揚げが




騒がしい未来よりおだやかな連続がうれしいんだぼくたちは




君はたのしげに呪文を語りちいさな呼吸をくり返してる




手を取り君に触れる朝おはようを交わしごゆるりおやすみなさい




リクエストしたものじゃないものをさらり選ぶの得意なんだから




転々と旅を重ね淡々と力を得る。ならぼくは何処へと




寝息を立てる君の横でGoogleが軽やかに祝う記念日




どんつきみぎは望む未来ひだりは平坦。選ぶはきみ、どちらへ




君がほめてくれた白い傘 も一度あの頃の白さ戻るかな




あれこれと話したくなる夜がある音なくふたりの声ばかり




名前を呼べるひとがいる。名前を呼んでくれるひとがいる、仕合わせ




どこに行きたい? と聞くと君は悩みながらおいしそうにモカを飲む




こわいのは絶対酔わない女の子左からふふと笑みが漏れ




あなたはときどき水縹色みはなだいろのような音のない笑顔を浮かべる




武士のよに生きていきたいそう願うきみ衣替えから心替え




鼻かんでたらむせて咳こんで挫折しちゃった未完了のきみ




十代だったきみのかわらない笑顔はぼくの左で咲いてる




子どものぼくを見つけに行こう、公園・駄菓子屋・校庭・秘密基地




そんな色持ってたっけと聞くきみのきらりと光る目ん玉こわい




何でもない会話で笑ったこと何でもない時間わすれないよ




ある物でお昼済ます定番コース こういうのが幸せだったり




「人生七味唐辛子」笑み絶えぬ日々ならなお良しと生ひ行く




君以外の人類がピンチになったら変身して僕は空へと















































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