第7話 残り2人

 飯島と三島は八鬼島での捜査を進めながら、地元の住人たちとも接触を深めていた。特に真壁という老人からは、島の歴史や謎に関する貴重な情報を得ることができた。真壁は島に伝わる古い伝承や、過去の事件について知識豊富な人物であり、その助言は捜査に大きな手助けとなっていた。


 ある日の夕暮れ時、真壁は飯島に声をかけた。


「飯島さん、こっちへ来てくれ。ショーケン、と呼ばれたことがあるか?」


 飯島は少し驚きつつも、興味深そうに真壁に近づいた。ショーケンという呼び名はかつてのあだ名だったが、長らく使われていなかった。


「ショーケンと言われたことはありますが、随分と昔の話ですね。どうしてそれを知っているんですか?」飯島は尋ねた。


 真壁は深い溜息をつきながら、言葉を続けた。「この島には古くから伝わる言い伝えがある。ショーケンと呼ばれた人は、この島を護る者とされてきた。過去にも事件があってから、その呼び名が忘れられた時代もあったが、いざというときにその力が必要とされることもあるかもしれん」


 飯島は真壁の語る言葉に心を打たれ、かつての自分のあだ名を思い出した。彼はその使命感を胸に秘めつつ、捜査を進めることの重要性を再認識した。


 その夜、飯島は星空の下で、ショーケンとしての自分を見つめ直した。彼は斎藤の死を胸に抱きながら、新たな事件の解明と島の真実の追求に身を投じた。


 次なる朝、飯島と三島は新たな情報を得るために再び捜査を始める準備を整えた。彼らの冒険は続き、八鬼島の秘密が少しずつ明らかになっていくのであった。


 飯島と三島は八鬼島での捜査を深める中、新たな犠牲者が現れたことに衝撃を受ける。その犠牲者は、島に住む若い男性であり、何者かによって残虐な手段で命を奪われていた。彼の遺体は、島の一角で見つかった古い廃墟の中に放置されていた。


飯島と三島は遺体の周囲を調査し、事件の状況や残された証拠を集めていく。しかし、残忍な手口と犯人の巧妙な隠蔽により、初動の捜査は難航する。彼らは真壁や地元住民からの情報を頼りに、事件の背景や犠牲者の生活について詳細を掘り下げていく。


飯島は特に犠牲者の遺族との面会を重ね、彼の人柄や生活状況を理解しようと努めた。彼の死が事件の中で何を意味するのか、そしてそれが八鬼島に潜む謎にどう繋がるのかを探るために。


捜査は時間と共に進み、飯島と三島は次第に事件の謎の一端を解き明かし始めた。犯人の動機や真相に迫る中で、島の秘密が次第に明らかになっていく。彼らは再び真壁の助言を求め、古い伝承や歴史的な背景に着目しながら、事件の全容を明らかにしようと奮闘するのであった。


 飯島と三島は、八鬼島で発見された若い女性と若い男性の身元を判明させるために捜査を進めた。彼らは地元の住民や関係者からの証言を集め、遺体から得られた物証やDNAの照合を行った。


若い女性の身元が特定されると、彼女は島外から訪れてきた観光客であり、最近まで島で滞在していたことがわかった。飯島と三島は彼女の友人や知人とも連絡を取り、彼女が最後に見られた場所や行動について詳細を聞き出した。


一方、若い男性の身元も確認され、彼は島に住む若者であることがわかった。彼の周囲の人々からの証言をもとに、彼の生活や関わりを調査し、事件の背景についての理解を深めていった。

 

**若い女性のプロフィール:**


名前: 藤原 美咲(ふじわら みさき)


年齢: 25歳


出身地: 大阪市


職業: 会社員(IT企業に勤務)


経歴: 大学卒業後、IT企業に入社し、プログラマーとして働いていた。仕事のストレスを発散するために、趣味で写真撮影をしており、インスタグラムなどのSNSで活動していた。


性格: 穏やかで社交的な性格。友人たちからは明るくて面倒見の良い人物として知られていた。


趣味・特技: 写真撮影、ハイキング、料理。特に自然や風景写真が得意で、休日にはよくカメラを持って自然の中を散策していた。


事件前の行動: 藤原は友人と八鬼島を観光するために訪れており、島の自然や歴史に興味を持っていた。彼女のSNSには最近の写真や旅行記が多く投稿されており、八鬼島の風景や観光名所を楽しんでいる様子が伺える。


**若い男性のプロフィール:**


名前: 森田 勇太(もりた ゆうた)


年齢: 28歳


出身地: 八鬼島


職業: 漁師


経歴: 小さい頃から八鬼島で育ち、家業である漁業を継承。海での仕事に誇りを持ち、地元のコミュニティで重要な存在となっている。


性格: 素朴で真面目な性格。地元の人々からは信頼され、助け合いの精神を大切にしている。


趣味・特技: 漁業のほかに、釣りやハイキングが好き。自然の中でのんびり過ごすことが多い。


家族構成: 父親と祖父と3人暮らし。家族全員が漁師であり、代々海に携わる生活を送っている。


事件前の行動: 森田は八鬼島の海岸で漁をしていたが、最近は島の外の水域でも漁を行っていた。地元の人々との交流が深く、島の文化や歴史にも精通している。


特記事項: 彼の死は島のコミュニティに大きな衝撃を与え、島民たちの中には彼を慕う人が多かった。


捜査の過程で、飯島と三島は二人の犠牲者がどのようにして犯人と接触し、事件に巻き込まれたのかについて推測を立てた。彼らは犯人の動機や手口を理解し、次なる手がかりを追求するために動き始めた。


八鬼島の閉ざされた環境の中で、真実を見つけるための道はまだ長く険しいものであったが、飯島と三島は決意を新たにして事件の解明に向けて前進するのであった。


 

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