第2話 選ばれし者 2

カナデが落としてしまった本を拾う三人


ハヤテ「それで、どうしてお前らがここに居るんだ?」


何気なく聞いたその質問にアルトとカナデは答えた


アルト「僕は妹に頼まれた物を買いに」


カナデ「私は借りた本を返して、また本を借りに」


ハヤテ「明日は成人の儀だってのによ、、、本当にこいつらを世に出していいのか」


二人の気の抜けた雰囲気にハヤテはため息混じりに答えた


カナデ・アルト「「ハヤテもね」」


アルトとカナデの息の合った返答に三人は笑い合った


そんな他愛もない雑談をしている間に本を拾い終わる


ハヤテ「じゃ、俺は適当に魔物討伐して来るから。次からは気を付けろよ」


カナデ「私は早く家に帰ってこの本を読まなくちゃ。あ、後でアルトにも教えてあげるから」


カナデは真っ直ぐアルトを、アルトは遠くを見た


三人「「「じゃまた明日」」」


一人は市場へ、"残り"は反対側へ


カナデ「それより、アルトが元気になっていて良かったね」


ハヤテ「もう何年も前の話しじゃないか。どうしたんだいきなり」


カナデ「今日のアルトの笑顔見たら少し思い出しちゃった。だってアルトったら何日も泣いていたのに急に元気になって…」


ハヤテ「もう、いいじゃないか。単に妹の為に自分が何とかしなきゃって無理矢理立ち直っただけだろ」


カナデ「そうかもね。私、今こんな研究をしているの」


たくさん積み上げた本のタワーから一冊の本を取り出した


ハヤテ「精神…魔法」


カナデ「そう、」


カナデが取り出したその本を飛ばし飛ばしで読みながら言った


ハヤテ「馬鹿馬鹿しい」


ハヤテがこう言うのも無理はない。

なぜならそこに書いてあった魔法の殆どが、魔物だけが使える魔法であったからだ。 もちろん人間も使う事が出来る魔法は有るが、道具が必要である。

そもそも数年経っても消えない魔法など、この世界に存在しない。 再度魔法をかけ直すのであれば別だが

もちろんハヤテ自身も魔物を倒す上でこの程度のことは知っている。しかし、これ以上に納得する理由がハヤテには有る。それはアルトに魔法をかけて得する魔物など存在しないからである


ハヤテ「お前や俺ならともかく、 少なくとも人を助けて喜ぶ魔物など1匹もいない」


魔物によって父を殺された、アルトの気持ちを代弁してか、強く、けれど淡々と言い放つ。その言葉にカナデは少しばかりの恐ろしさを感じた


カナデ「そうだよね、、、」


2人が話し合ってると、門の前に着いた。


カナデ「気をつけてね」


ハヤテ「あぁ、じゃあな」


そう言い合って、互いの行く道を歩んだ。


一方その頃アルトは


アルト「終わった、、メモを落としてしまった」


妹からもらったメモをどこかに落としてしまったのである。さすが、駄目駄目兄の名は伊達ではない



________________

1話目で言い忘れてましたが、 この線より下は本編とは全く関係がない私の個人的な場所です。主に目標について書きます。とりあえずは、『目指せ1万文字』

不定期更新ですので、面白いと感じていただけたらフォローお願いします。



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