第3話衝撃的な事実から一夜明け
「…結構…衝撃的な事だったな…いや、ソレが分かっただけでも良かったのか?」
俺的人生の衝撃的な出来事ベストテンのベストワンに選ばれる位の衝撃を受けた翌日の事だ。朝早くに目が覚めたので昨日の事を思い出してそう呟いた…。
「…私的には…知って欲しくなかったんだけどなぁ…」
「うん。真冬は何でまたお兄ちゃんのベッドに潜り込んでいるのか、まずはそこから説明してくれるか?」
「お兄ちゃんが居る場所は私の居場所だからだけど?」
「…妹にそこまで想われて喜んでいいのか、悲しむべきなのか分からなくなるな」
「そこは喜ぶところだよ♡」
真冬に満面の笑みでそう言われたらどうしようもないな。とりあえず起きようかと布団を捲り上半身を起こす。
「んっ…お兄ちゃんのエッチ…♡」
「…真冬…またか?」
潜り込んで来るのは百歩譲って構わないのだが下着姿で潜り込んで来るのだけは切実に止めて欲しい問題だ…。お兄ちゃんに理性が残ってるからいいものの、その理性も最近ではガリガリと削られている様な気がしてならない。こちとら思春期バリバリのヤりたい盛りの童貞男子よ?
「こんな事するのは…お兄ちゃんだけ…だもん…」
『がふっ!?』
真冬のその言葉に俺は心の中で吐血する…。真冬は紛れもなく美少女だ。前世だとアイドル以上の存在だと言えるだろう…。そんな美少女から上目遣いにそんな言葉を投げ掛けられると…その破壊力の程は言うまでもない事だろう…。
俺はスッ〜っと真冬の顔に自分の顔をゆっくりと近付けていく。
「へっ!?お、お兄ちゃん!?きゅ、急にしょんなっ!?キシュなんてっ!?ま、まだ早っ!?あわ、あわわわっ!? きゅぅ――」
真冬がいつもの様に気絶したので布団を被せてあげて俺は洗面所へ。真冬は自分から色々とするのは大丈夫みたいなんだが、攻められ耐性はゼロなんだよな…。そこがまた妹の可愛いところではあるんだけどな。
顔を洗い、歯磨きをしながらそんな事を思う。歯磨きを終えるとリビングへ。母さんはすでに起きていて、朝ご飯の準備やらをしている。母さんがやけに艶々しているのはいつもの事だろうし、考えない様にしておこうと思う。
「あらっ…もう起きたの?そうそう…昨夜はお楽しみでしたね?」
俺に気がついた母さんがそんな事を言ってくる。
「いや、全く…。それはそういう関係になった男女に言う台詞だからね、母さん?」
「私とパパはお楽しみだったわよ?」
「いや、わざわざ言わなくていいから…」
「そう?色々語ってあげるのに…朝はコーヒーとパンでいいかしら?」
「うん、ありがとう」
♢
用意してもらったご飯を食べて、学校へと向かう準備をさっさと済ませた。真冬はまだ眠っているし、父さんは昨日の疲れが残ってるだろうから起きて来るのは午後からだろうしな…。
まだ学校へ向かうには早いんだけど俺は学校へと向かう事にする。家を出て―
「おぃ〜す!」
家を出たところでそう声を掛けられる。
「うぃ〜す!相変わらず早いな?」
「俺の台詞だと思うぞ?」
隣に住んでいる幼馴染の
「そりゃあ…そうか」
「それで、何で豊和はこんなに早いんだ?」
「ああ…早く目が覚めたからっていうのもあるけど…実はな――」
幼馴染でもあり、親友でもある俊哉に昨日発覚した事を話する事に…。
「俺もおかしいと思っていたんだよな。何でこんなにカッコいいのに、豊和には女性が寄って来ないんだろうって…」
「俊哉にも俺がそう見えるのなら心が綺麗って事だぞ?誇っていいぞ?」
「何様だよ!?」
二人して笑いあう。前世では友達なんて居なくて…こんなに何でも話し合えて、ちょっとした事で笑い合える友達を持てたのは転生出来て良かったと心から思えるところだな。
まあ、通学途中に俊哉だけ次々と女性からナンパされるのは解せぬ点ではあるんだけどな…。まあ、こんな体質?病気?どっちでもいいけど分かったからにはそれも仕方ないと割り切れる様になった。
俺もいつか…俺の事が不細工に見えない女性に声を掛けてもらえると良いなと思いつつ、俊哉と一緒に学校へと向かった。残念なのは俊哉は隣のクラスということかな。
♢
学校へと着いた俺は俊哉と別れて自分のクラスへ。席に座って周りを見渡していると…
「ほら!朝からヤるよ」
「あ、朝からですかっ!?」
「当たり前でしょっ!?さあ、早くっ!」
「ちょっ、ま、待っ「待たない♡」ああ〜」
早々にまず男子が一人連れ込み教室へと引きずられていく…。別の所に視線を向けると…
「アタシのおっぱいでしっかりと搾り取ってあげるわね?」
「か、勘弁してく―」
「男に拒否権なんてないでしょ?早く来なさい!」
「…はい」
また一人引きずられていく…。ホント羨ましい光景だな…。俺なら喜んで行くんだけどな?
廊下に視線を向けると…あっ…連れ込み教室に連れ込むのを我慢出来ずに廊下でヤッている生徒の姿が見える…。あれは後で一応は怒られるパターンだろうな…。
主に男子が…。
そんな光景を眺めているとコロコロと隣から何かが俺の足下へと転がってきたのが視界に入った。俺はソレを拾い上げる。
(…シャーペンだな)
隣に視線を向けると隣の席の女の子はどうやらシャーペンを落とした事に気付いていないようだ…。
「あの〜」
「ひゃ、ひゃい」
えっ!?そんなに驚く!?いや、驚くか…。超絶不細工な男子に急に声を掛けられたら…そりゃあ驚くわな…。
「ごめんね?コレ…落としたみたいだから」
「あっ…ありがとう…」
「どういたしまして…それより急に声を掛けて驚かせてしまってホントにゴメンね?」
「う、ううん。こっちこそゴメンね?急に声掛けられちゃったから…ビックリしちゃって…」
「いやいや…不細工な俺に声を掛けられたら驚くよ。みんなイケメンばっかりだしね」
「そ、そんな事ないよっ!?豊和君は不細工なんかじゃあ…」
「えっ?」
んっ?今、この女の子…苗字ではなく、俺の名前を呼んだ?
それに…もしかして…
「お〜い!みんな席に着けぇ〜!早速出席から取るからな?連れ込み部屋へと向かった者達を知っている者は言ってくれな?じゃあ、出席取るからなっ?」
先生が来たのでそれ以上その子と話す事は出来なかった…。この日は結局…その後もなんやかんやで話する事は出来なかったんだけど……。
もしかして俺の事がちゃんと見えてたりするんだろうか?
まさかね…。
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