第2話

翌朝、香織と涼介は地元の考古学者アブドゥル・ハキームと合流し、ナイル川沿いの古代遺跡へ向かった。車は未舗装の道を進み、広大な砂漠とナイル川の美しい景色が広がる中、遺跡へと近づいていった。アブドゥルは遺跡の歴史や発見された宝石について詳しく説明してくれた。


「ここが遺跡の入り口です。気をつけてください。この先には数々のトラップが仕掛けられています。」


アブドゥルの言葉に、香織と涼介は緊張感を高めた。彼らは懐中電灯を手に持ち、慎重に地下トンネルへと足を踏み入れた。トンネル内は暗く、湿った空気が漂っていた。壁には古代の石碑や壁画が描かれており、宝石の手がかりが隠されていることを示唆していた。


「見て、ここに何かが書かれているわ。」香織が指差した石碑には、古代エジプトの文字が刻まれていた。


「これが手がかりかもしれない。」涼介は石碑を詳しく調べ始めた。しかし、その瞬間、トンネルの奥から轟音が響き渡った。


「気をつけて!何かが来る!」アブドゥルが叫ぶと同時に、巨大な岩が転がり始めた。香織たちは急いでトンネルの脇に避難し、岩が通り過ぎるのを見守った。


「ふぅ、危なかったわね。」香織は胸を撫で下ろした。


「まだ終わってないぞ。」涼介は前方を指差した。次の瞬間、毒矢が飛び出してきた。涼介は素早く反応し、身をかがめて矢を避けた。


「これが古代のトラップか。まるでインディ・ジョーンズの映画みたいだな。」涼介は息を切らしながら笑った。


さらに進むと、今度は崩れそうな吊り橋が現れた。橋の向こうには、宝石の手がかりが隠されていると思われる部屋が見えた。


「ここを渡らないと進めないみたいね。」香織は橋を見つめ、慎重に一歩を踏み出した。


「気をつけて。橋が古くて壊れやすい。」アブドゥルが警告した。


香織と涼介は慎重に橋を渡り、ついに部屋に到達した。そこには宝石が隠されているという石碑があり、手がかりを解読することができた。


「これが宝石の手がかりよ。やったわ!」香織は興奮気味に叫んだ。


「さあ、ここからが本番だ。宝石を見つけ出そう。」涼介は決意を新たにし、次の冒険に向けて動き始めた。


ナイル川の秘宝を巡る冒険は、まだ始まったばかりだった。古代の遺跡に隠された謎を解き明かすために、香織と涼介はさらなる試練に立ち向かっていく。

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