第9話 研究求む!

そんなこんなで仲間が1人増えた。


シャロンはとりあえず屋敷の掃除と家事を少しずつ、リアーナは屋敷の警護と種の組み合わせの研究を、そして、セス、カイ、俺で用水路を引く作業を続けた。


1週間後、水田に伝うように用水路が綺麗に引かれた。

早速稲型の種を撒いて水を入れてみた。


「おぉー!

稲ですね!」


カイが言う。


稲型の種は水をぐんぐん吸収し、あっという間に黄金色の稲穂となった。


俺たちはもちろん、稲刈りをして、茶碗を使って脱穀し、すり鉢を使ってもみすりした。


やっと、米が出来たのは、夜の9時頃だった。

後はこれを精米しないといけない。


うーん…

米はお金にはならないかもなぁ…


手間がかかりすぎるのだ…


種をかけ合わせて、米だけが成るように出来ないかな?


リアーナに聞いてみる。


「うーん…

出来るとも出来ないとも言えないわぁ。

何故かって?

まだ、種の組み合わせは未知数だからよぉ。


ちょっと研究するわぁ!」


という事だった。


という訳で、その日はシャロンの初手料理、オニオンフライとロールキャベツ、それから、目玉焼きだった。


オニオンは甘くたまにピリリと辛味もあり、ロールキャベツはとても柔らかくて美味しかった。

やはり、植物スキルで作った野菜は絶品だった。

もちろん、シャロンは料理上手だったが。


「明日は、用水路も完成したし、休みにしないか?」


俺はロールキャベツを食べながら言った。


「いいわねぇ!」


「ありがたいな…」


「たまの休みも必要ですね。」


「わーいですぅ!」


という訳で休みが決定した。


















次の日。

俺は休みと言っても特にすることが無かったが、シャロンが屋敷の2階まで掃除をしたというので、2階に上がってみた。


ん?

この部屋は…


書斎か…


しかし、その部屋は本棚に囲まれていた。

それは良いのだが、並べてある本はすべてシリーズのようだ…


「地球…図鑑…?」


俺は、全225巻と書いてある本の1ページ目からめくってみた。


そして、俺は衝撃を受けた!


最初に俺が開いたページは、地球の料理にまつわるページだった。


「カレー…ライス…?」


アジアという地域では人気だと書いてあった。


俺はイライザの街にターメリックとその他のスパイスを買いに行き、シャロンにキッチンを空けてもらって、カレーライスとやらを作ってみた。


野菜はじゃがいもやにんじん、玉ねぎ、それから肉を入れると良いらしい。


出来上がり、みんなを呼んで食べてみた。


「なに、この茶色いのぉ?」


リアーナが恐る恐る食べる。


が、みんなが次の瞬間言ったのは…


「「「「美味しい!」」」」


という言葉だった。

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