第7話

 一方でヴァルドラは、二人と別れた後、違和感を覚えたため、自分が征服してきた土地にある”天界”に関する情報を一つ残らず集め、違和感の正体を探した。


「………やはりそうか」


 自室の机に並べられた膨大な書物の中で、二つの紙切れを見つめ、ヴァルドラは一人で納得していた。


 一方にはこう記されていた


『1■日 悲■と呼ぶ■き天■■異が起■■た。ヴァルドラ■王が■内の■乱を■め、国■■和が■れたと■もが思っ■■先に、そ■■起こ■た。都に、天■ら光■降り■■ぎ。■や、都だ■で■■く世■中に降り■いだ。光が触■■箇■は”■■■”、私は■よく生■残っ■が、最■■の国■生き■■など0に等し■だろう。■■できごとは、■まりにも理不■■■■、不■解■■る。こうして形と■■後世に■■■とで、きっと何■が変■■と■じている。』


もう一方にはこう記されていた


『かつて、天界には大天■”アザゼル”がいた。しかしおろか■も、アザ■ルは天界の反逆■■なり地に堕■た。この出来事■■ザゼルを慕っていた天使た■は■■、ほかの大天使■ち■戦争を仕掛けた。この■争は下界にも■響を及ぼし、いく■かの国が滅んだ。』


 一部の文字が滲んで読めなくなっているとはいえ、内容くらいはつかめていた。


 「アザゼルという名に聞き覚えがあったが...まさかこんな形で関わっているとはな…」


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

『16日 悲劇と呼ぶべき天変地異が起こった。ヴァルドラ国王が国内の内乱を沈め、国の平和が訪れたとだれもが思った矢先に、それは起こった。都に、天から光が降り注いだ。いや、都だけではなく世界中に降り注いだ。光が触れた箇所は”消えた”、私は運よく生き残ったが、最早この国の生き残りなど0に等しいだろう。このできごとは、あまりにも理不尽であり、不可解である。こうして形として後世に残すことで、きっと何かが変わると信じている。』


『かつて、天界には大天使”アザゼル”がいた。しかしおろかにも、アザゼルは天界の反逆者になり地に堕ちた。この出来事にアザゼルを慕っていた天使たちは怒り、ほかの大天使たちに戦争を仕掛けた。この戦争は下界にも影響を及ぼし、いくつかの国が滅んだ。』

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