第2話森へ出発!

すべての準備が整ったところで、太郎とリリーは牧場に戻り、もふもふ動物たちに一旦の別れを告げた。


「クラウス、コロネ、ミント、パンプ。しばらくの間、留守にするけど、すぐに戻るからね。」


動物たちは太郎を信頼し、彼を見送った。


「気をつけて行ってきてください、太郎さん。」


「ありがとう、クラウス。みんなを頼むよ。」


皆に挨拶を終え今日は早めに休んだ。



--



出発翌朝、太郎とリリーは早朝に目を覚まし、冒険の準備を整えた。荷物を背負い、リリーは興奮した表情で太郎を見つめた。


「太郎さん、いよいよ出発ですね!」


「そうだね、リリー。新しいもふもふ動物たちに会えると思うとワクワクするよ。」


太郎は背負ったリュックの紐を締め直し、リリーと共に村の外れにある森の入り口へと向かった。


朝の冷たい空気が二人の頬を刺したが、心の中は冒険への期待で温かかった。


〜森への道〜


森の入り口に立つと、木々がうっそうと茂り、自然の香りが鼻をくすぐった。


「ここからが冒険の始まりだね。」


リリーが笑顔で言うと、太郎も微笑み返した。


「うん。もふもふ動物たちがどこかにいるはずだから、注意深く探してみよう。」


二人は森の中に足を踏み入れた。木漏れ日が地面に模様を描き、鳥たちのさえずりが耳に心地よい。しばらく歩くと、森の奥深くに進むにつれて、見たことのない動物たちが姿を現し始めた。


「見て、太郎さん!あの小さな鹿のような動物、すごく可愛い!」


リリーが指差した先には、小さな体に大きな目を持つ動物が草を食んでいた。その優雅な姿に太郎も感心した。


「本当だ。見たことない種類だな。でも、普通の鹿とは違うみたいだ。まるでユニコーンだ。」


さらに進むと、大きな翼を持つウサギの見た目をしている動物が飛び跳ねているのを見つけた。


リリーは嬉しそうに追いかけようとしたが、太郎が静かに制止した。


「リリー、あまり驚かせないようにしよう。彼らも怖がってしまうから。」


「わかりました、太郎さん。でも本当に可愛いですね。」


「そうだね。新しい動物たちに出会えるのは素晴らしいことだけど、まだもふもふ動物には出会えてないな。」



二人はさらに奥へと進んだ。



木々の間を縫うように歩き、注意深く周囲を観察した。しかし、もふもふ動物の姿は一向に見当たらなかった。


「もふもふ動物たちはどこにいるんだろうね?」と、リリーが少し不安そうに尋ねた。


「うーん、まだ森の奥の方にいるのかもしれない。もう少し進んでみよう。」


太郎はリリーを励ましながら、森の奥へと進んだ。道なき道を進む中、二人は森の豊かな生態系を肌で感じていた。


風に揺れる木々の音、遠くで鳴く動物たちの声、それらすべてが二人の冒険を彩った。


しばらく歩いた後、二人は大きな木の下で休憩を取ることにした。


太郎はリュックから水筒を取り出し、リリーに渡した。


「リリー、水を飲んで休もう。」


「ありがとうございます、太郎さん。」


二人は木陰に座り、冷たい水を飲みながら森の風景を眺めた。


太郎は地図を広げ、これからの進路を確認した。


「この辺りにはまだまだ未探索の場所が多いみたいだ。もふもふ動物たちがいる場所はどこかにあるはずだ。」


リリーは太郎の言葉に力強く頷いた。


「私たちで必ず見つけましょう。もふもふ動物たちが待っているはずです!」


太郎はリリーの元気な声に勇気をもらい、再び立ち上がった。


「そうだね。リリー、行こう!」


何時間かさまよい歩いた。薬になりそうな野草や見たことの無い木の実などを拾った。



その後も探索を続けたが、1日目は特にもふもふ動物を見つけることは出来なかった。

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