俺は普通の恋愛がしたいだけなのに、ポンコツ女神からベタなラブコメを強制されてツラい
ろくごー
1話 思えば美少女双子姉妹に起こされたいだけの人生(もしくは朝)だった
「お兄ちゃん、さぁぁ起きるのですぅぅぅぅ!」
「にぃにぃ、起きないとダメなのー」
おはよう、
今日も可愛いな、自慢の
でも、フライングボディプレスのツープラトン攻撃をベッドで寝ている兄に仕掛けないように。女の子2人に飛び乗られるのは、さすがに寝起きにはきついからな
それにしても、段々連携がうまくなってきたな。今、クロスして飛びかかるタイミングをうまくずらして…
いや、褒めるところがちがうけど
「早く起きないと、高校初日から遅刻なのですう」
「にぃにぃ、ウチらの制服を褒めるのー」
うんうん、よく似合ってるぞ、中学の制服。今日が入学式だったな
お前たちこそ、兄の上でくつろぎ始めてると遅刻するぞ
ほら
そう、これが俺が夢見たラブコメ的展開、、、だ、、った、、、、
…………………
…………………
はい、一回止めますっ!
妹達の動きが、一時停止したように「止まった」
同時に、部屋全体がぼんやりとしたソフトフォーカスに変わる。
そう、ラブコメの女神さまの登場だ
「今度はなんじゃ、あっ?」
銀髪をなびかせながら凄む女神さまよ。若干キレ気味でも幼女よりの少女の姿じゃ怖くないぞ。
昨晩、あぁ確かに言ったさ、「美少女双子姉妹に朝起こされたい」と
でもな、もっと普通で良いんだよ。世の中の「リアル妹」は、そもそも兄貴になんざ興味がないぞ?
せいぜい扉をノックして「あ兄ちゃん、起きて!もうお母さんが怒ってるからっ!!」ぐらいの温度感だぞ
「まったく、注文の多い奴じゃ。よし分かった、これでどうじゃ」
部屋のソフトフォーカスが消えて、元の部屋の光景に戻る。
「はーい、もうベッドを降りますぅ」
「にぃにぃの言うこと、聞くのー」
「アニキに言われちゃ、仕方ないにゃ」
そうだな、
大人しくベッドから降りてだな、登校する支度をだな
…………………
…うん、妹が一人増えた
…………………
はい、もう一回止めますっ!
再び部屋全体がソフトフォーカスに変わると同時に俺は言った。
いやいや、妹が足りないから「三つ子」にしろって意味じゃないわっっ、このポンコツ女神!
「注文が多いやつじゃなぁ、まったくっ」
うん、金色の艷やかなまつ毛に包まれた大きな水晶球のような瞳を見開いて怒った顔を近づけるのは良いけどな、そのゆるっゆるの巫女っぽい衣装の前がはだけているから気を付けような、色々と良くないからな。あれがあれするぞ。
そう、昨日まで俺には妹がいなかった。一人もね。
それが朝になって妹たちが突然出現した。
ご丁寧なことに、妹たちと過ごした記憶、それも十数年分がきっちり頭の中に用意されている。昨年のクリパでは、ケーキひっくり返して4人ともクリームまみれになったな。
3人目の妹、
さすが神というべきか、まぁ、色々とポンコツなのだが。
「ごちゃごちゃ文句を言うでないぞ、ラブコメの女神歴300年のわしを信じんか」
そんな昔からラブコメがあるか!
それにいくら神とはいえ、外見は中学生くらいじゃん?
「えーと、ラブコメの女神歴100年…」
正直に
「14年です、はい、神としてはぺーぺーです」
QRコードで決済したのかな
「ぺーぺー!って、何を言わすのじゃ」
うん、ポンコツなノリツッコミをありがとう。
あー、部屋の隅で膝を抱えて落ち込まないように。
うん、そんな姿も可愛いのだが。
…………………
可愛いんだよな、この女神さま。ポンコツなんだけど。
そう、俺が好きなのはこの女神さま
でも、まったく気付かない。ポンコツだからな。
しかも、俺にベタなラブコメを強要してくるんだよなぁ、一応「ラブコメの女神」だからね。
あー、膝を抱えたままジト目で振り返るのは反則だぞ。透き通ったウナジがいい感じで見えてキュンキュンするじゃん。
朝から、好きな女神にラブコメを強要されてツライ
そんなお話だよ
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