ベトナム人に聞いた恐怖体験
胡志明(ホーチミン)
第1話 霊に肉体関係を迫られた
私はスウン(女性26才)と申します。
ベトナム中部の街、Daklak省に住んでいました。
この恐怖の物語は、13才のある暗い雨の日に始まりました。
私が学校から帰宅する途中、人けのない交差点を通らなければならなかったとき、50歳くらいのおじいさんに出会いました。
すれ違いざま、彼は何かをつぶやきながら私を異様なほどじろじろ見ていました。
この時は正直、人か幽霊かはわかりませんでした。
しかし、そのおじさんが現れた日から、私の生活は一変しました。
最初は体調は比較的普通だったのですが、だんだんと疲労感が増し、夜になると寝室の窓から「スウンさん、スウンさん」という誘うような声が聞こえてきました。
それに、シャワーを浴びているときに、家に誰もいないのにもかかわらず、誰かがドアをノックし続ける音がありました。
さらに怖いのは、夢の中で見知らぬ男が私に淫らな行為をしているのを何度も経験しました。
13才の私には耐えれませんでした。
最初は触れたり抱きしめたりするだけだったが、やがて夫婦のような肉体関係になりました。
私はこれらのことを両親に話して助けを求めましたが、両親はスピリチュアルな話をあまり信じていないようで、私の勉強怠けの言い訳をしていると思っていました。
悔しかったです。
そのために、わずか半年で肉体的にも精神的にも疲れ果ててしまいました。
また食生活も変わり、 野菜だけは食べることができましたが、肉や魚を食べると嘔吐しました。
さらに病院に行って超音波検査を徹底的に受けても、病気は見つからなかったのに、まるで妊娠しているような症状があり、体が青白く、下腹部が膨らんできました。
これには流石の医師も「原因がわからない」との回答でした。
私はわかりませんが、就寝中には錯乱したり寝言を言ったりすることが多く、家族もその深刻さに気づき始めました。
母はこの問題の原因を見つけられる人(巫女)に助けを求めることにしました。
巫女は私を調べた後、「スウンは死者に愛されて、付きまとわれている。つまり、死者の呪いが原因だ」と言いました。
巫女は、「その老人は昔の兵士で、十字路の戦場で亡くなった。大きな恨みを抱えて幽霊になってあなたに憑いた」と説明しました。
さらに彼は私を妻として選び、追いかけ、私の人生に疲労と苦痛をもたらしているとの事です。
私の家族は、その老人の幽霊を追い払う儀式を行うことにしました。
儀式の段取りをして、すべてが終わったかのように見えましたが、事態は全く逆で彼は私を脅迫しただけでは飽き足らず、私の家族も脅迫しました。
彼は、「もし巫覡が自分を追い払ったら、私は他の誰とも結婚することができなくなる」さらに「残りの人生をかけて修練して僧侶になる必要がある」と言いました。
とんでもない脅迫を受けましたが、儀式を決行する事にしました。
決行日の暗い夜、私の家族と巫女は、高い山の頂上にある古い寺院で礼拝の儀式を行いました。
巫女は家族に礼拝の儀式を準備するように言いました。
準備とは、私を美人な人形と置き換え、幸せな家といい車をあげるから私を手放して家族の元に戻すよう説得するしかないと言いました。
その説得に最初は彼は気が狂って同意しませんでした。
そして、事態がさらに進むまで、巫女が絶えず独り言を言っているのを誰もが見ていました。
巫女は彼を説得できず、彼はすぐに近くに立っていた弟子の体に憑依し、私がひざまずいて祈っていた場所に向かって走り込んで来たのです。
この時点で私は非常に怖くなり、目には涙がいっぱいあふれていました。
彼は私の首を絞め続け、窒息死するのではないかと思ったほどです。
ホラー映画のように、彼の顔が弟子の顔の後ろに現れたり消えたりするようになりました。
巫女は桑の鞭を手に取り、叫びながら何度も平手打ちし、続いて塩とよもぎを叩いて彼に投げつけました。
長い闘いの末、ついに力が勝る巫女が彼を征服し、私の代理人形と結婚して私から離れることに同意させました。
下校時に雨の中を走っている私の姿を見て情熱を感じ、家まで追いかけるようになった、と彼は白状しました。
彼は私に会う機会を見つけるために、いつも私の名前を呼んだり、私の夢に入ったりしました。
さらに、彼は私と幸せな家庭を築きたかったのですが、私と彼が二つの異なる世界に属しているという事実を敢えて無視しましたと続けました。
彼の霊を追放した後、私と家族は通常の生活に戻り、巫女がアドバイスしたいくつかのタブーを守ることに注意を払い、生活を安定させようと努めました。
でも、私は今でも「死者との運命」というものに対する恐怖を抱えて生きています。
これが私が小さな田舎の集落の交差点で幽霊に支配された霊界体験です。
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