第4話 フタリセカイ

「…咲」

「うん?」

「おきなきゃだめ?」

「どうする?」

「……。」

「バカ。…なに動かしてんの。」

「止まんね…。」

「……あんただけ?」

「……。」


上から咲を見下ろす。


「可愛いなぁ咲さんは。」

「気に食わない。」

「すみません。」


謝って直ぐに僕が下になる。


そうすると咲が耳に髪をかけてピアスを見せ付ける。


「戦闘準備完了。」

咲が妖艶な顔で囁く。

「…やばい…出していい?」

「早すぎ。」


咲に軽く頬を叩かれる。



今までこんなことはなかった。

ふざけた…というか関係性に少し余裕が出てきた感じがする。


僕らは…そうだな。

精神的に繋がってる。凄く奥深くで。

だから僕はこの人の目だけでイける…。


かっこよくて強い目…。

けど、可愛くて甘い時もある。

このカメレオンみたいなこの人が本当に狂おしいくらい愛しい。



――――――――――――『ダメっ!!……』

僕の上で体を大きく震わせて頭を真っ白にするこの人が好き。


その時に僕の胸の先端を思い切りつまんで引っ張る……。

そうすることで2人で真っ白な世界に手を繋いで行ける…。



僕はこの人が好き。この人のやり方が好き。

愛情を下腹部の奥深くで表現する……。




――――――――――――もう絶対に誰にも渡したくない。


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