変身ライダー『ソロモン』!! ~72柱の悪魔の鍵を持つヒーロー~

ヤミマル

プロローグ

「では、滅亡させる世界は第十三世界という事でいいね?」


「異議なし」


「異議なーし!」


「うむ。残当である」


「………………………………」



 この日の為に神界に造られた円卓に座った神々が、今、一つの世界の滅亡を決めた。


 滅亡させられる世界が悪い訳では無い。強いて言えば、運が悪かった。


 神々が世界を管理する仕事をする中で、誰かが「飽きた」と口にした。基本的に、永遠を生きる神々は飽きている。


 仕事に飽きている。


 時間に飽きている。


 世界に飽きている。


 神である事に飽きている。


 存在する事に飽きている。


 だから、誰かが「飽きた」と口にしてしまえば、もう止まらない。全力で暇潰しを考える。そして誰かが「暇潰しを兼ねて世界を減らそう」と口にした。


 世界が減れば仕事が減る。誰もが、それは名案だと言った。


 ……………………俺以外は。



「じゃあ、クジで当たった世界を滅亡させよう」


「ただ滅亡させるだけでは暇潰しにならんな」


「久しぶりに魔王を造るか?」


「じゃあ、一柱につき魔王一体にしよう。魔王が世界を征服したら滅亡。魔王が全部倒されたら生き残りにしようか」


「魔王が倒されても滅亡で良くないか?」


「絶対勝てる勝負は面白く無いだろ?」


「じゃあ、最後に異世界勇者も何人か送ろうぜ。送った後は世界の繋がりを遮断すれば、最後の勇者になるだろ」


「おおー、最後の勇者か。響きがいいな!」



 何とも狂った会話だ。コイツらは最早、人間なんかどうでもいいらしい。信仰心が無ければ、存在すら出来ないくせに。



 ◇



「おい、スルガ。どこいくんだ? もうすぐ世界の滅亡が始まるぞ?」


「…………すぐに戻る。ちょっと先にやりたい事があるんでな」



 このまま放っておけば、世界は間違いなく滅びる。


 俺は、自分の力で出来る事をやっておく事にした。

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