高橋信也を警察に引き渡し、探偵事務所に戻った香織と涼介。高橋が最後に残した不気味な言葉が二人の頭の中を支配していた。彼の「本当の計画」とは何だったのか、その謎を解明するために二人は再び情報を整理し始めた。

「高橋の言葉が気になるわ。まだ何か隠されているに違いない。」香織が椅子に座りながら言った。

「彼が何か大きな計画を企んでいるのは明らかだ。この連続殺人は、そのカバーに過ぎないかもしれない。」涼介も同意した。

二人は改めて高橋の過去の行動や接触した人物を調べ直した。そこで、いくつかの怪しい動きが浮かび上がった。特に、彼が複数の医療施設に出入りしていたことが目立っていた。

「この動き、単なる医療従事者としての行動とは思えないわ。」香織は高橋の移動履歴を見ながら言った。

「確かに、これらの施設は何か共通点があるはずだ。」涼介は調査記録を精査した。

その中で、高橋が頻繁に訪れていた医療施設の一つが浮かび上がった。その施設は、門司港近郊にある医療研究所だった。高橋が退職した後も、研究所に頻繁に出入りしていたことが判明した。

「この医療研究所を調査してみる必要があるわ。」香織が決意を固めた。

「そうだな。ここに彼の真の計画の手がかりがあるかもしれない。」涼介も同意し、二人はすぐに行動に移した。

医療研究所に到着した二人は、受付で身分を明かし、責任者との面会を求めた。研究所の建物は近代的で、内部は最新の医療機器が揃っていた。

「三田村香織と藤田涼介です。高橋信也に関する情報を伺いたいのですが。」香織が受付で説明した。

しばらくして、研究所の責任者が現れ、二人を会議室に案内した。

「高橋信也について何を知りたいのですか？」責任者は警戒心を見せながら尋ねた。

「彼がこの研究所に出入りしていた理由と、ここで何をしていたのかを知りたいのです。彼が重大な犯罪に関与している可能性があるため、協力をお願いしたい。」香織が説明した。

責任者は少しの間考えた後、ため息をついて話し始めた。「実は、彼がここで極秘に進めていた研究プロジェクトがありました。その内容は、非常に危険な生物化学兵器の開発に関するものでした。」

「生物化学兵器…それが彼の本当の計画だったのか。」涼介が驚きの声を上げた。

「ええ、彼はその研究を使って、門司港全体を巻き込む大規模なテロを計画していた可能性があります。彼が持ち出した資料には、具体的な使用方法やターゲットが記されていました。」責任者は資料を二人に渡した。

香織と涼介は、その資料を見て衝撃を受けた。そこには、門司港の水源や交通機関を攻撃する詳細な計画が記されていた。

「この計画を止めなければならない。」香織は決意を込めて言った。

「すぐに警察に連絡して、緊急対策を講じる必要があります。」涼介も同意した。

二人は直ちに警察に連絡し、資料を元に緊急対策会議が開かれた。警察と協力し、門司港の各所に警戒を強め、高橋の計画を阻止するための対策が取られた。

こうして、高橋信也の真の計画が明らかになり、門司港を守るための戦いが始まった。香織と涼介は、再び緊張感を持ちながら、次なる行動に向けて準備を進めた。彼らの決意は揺るがず、真実を追求するための新たな一歩を踏み出した。

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