誕生日

勝利だギューちゃん

第1話

今日は、誕生日です。

僕のではありません。

僕の誕生日は、来年までありません。


身近な方の、誰かの誕生日です。

でも、その誰かが思い出せません。

親でもないし、兄弟姉妹でもありません。


友達でもないし、彼女でもありません。


推しの芸能人でもないし、推しキャラでもありません。


もっと、身近な大切な人の誕生日です。


でも、それた誰なのかが、どうしても思い出せません。

まあ、思い出せないということは、たいした人ではないのでしょう。


気にしないで、生活します。


「ただいま」

「あなた、お帰りなさい。お疲れ様」

「あっ、これあげる」

「何かしら?」


妻は袋をあける。


「これは?」

「今日買ったイヤリング。君に似合うかなと」


妻は泣き出した。


『覚えていてくださったのね、私の誕生日』

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誕生日 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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