誕生日
勝利だギューちゃん
第1話
今日は、誕生日です。
僕のではありません。
僕の誕生日は、来年までありません。
身近な方の、誰かの誕生日です。
でも、その誰かが思い出せません。
親でもないし、兄弟姉妹でもありません。
友達でもないし、彼女でもありません。
推しの芸能人でもないし、推しキャラでもありません。
もっと、身近な大切な人の誕生日です。
でも、それた誰なのかが、どうしても思い出せません。
まあ、思い出せないということは、たいした人ではないのでしょう。
気にしないで、生活します。
「ただいま」
「あなた、お帰りなさい。お疲れ様」
「あっ、これあげる」
「何かしら?」
妻は袋をあける。
「これは?」
「今日買ったイヤリング。君に似合うかなと」
妻は泣き出した。
『覚えていてくださったのね、私の誕生日』
誕生日 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます