第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト【俳句の部】二十句部門

双星たかはる

花鳥風月


閉づ本に流る涙よ雪しろよ


逃がさないで飛沫もわたし夏の川


赤い指に乱る水面のさやかなり


あせび咲く鍾乳洞に落つ雫


せせらぎや空耳まじり秋深む


里帰り子は菜の花の波に駆く


きみの手をとる捩り花をおしこむ


知らいでかカーネーションのひだの影


自嘲するきみの横顔は露草


親不孝を撤回せんと林檎むく


波立ちて舵取りに悩む春荒


かざぐるま郷愁のフィルムをまわす


白南風を見あげる午後わたしは鳥


ハガキ着く夏至南風カーチーベイの濃いブルー


梔子や朽つも匂い立つ幻想


片恋に応えたまえよ月や月


「後悔はない」十六夜のひとりごと


月冴えて今このときを疑いぬ


鼻歌もルナティックのせい帰り道


襟立てる吾の肩を照らす霜月

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第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト【俳句の部】二十句部門 双星たかはる @soiboshi

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