寂寥世界
智依四羽
寂寥世界
手で耳塞げば私の世界
ヰヤホン越しの楽曲は、私の世界で鳴り響く
呼吸の音さえよく響き、いつしか心を落ち着かせ
私の世界に閉じ篭もり、誰かの声には耳貸さず
私の世界は寂寥世界
孤独に酔いしれ、目を逸らす
塞ぐ手離せば彼等の世界
ワヰワヰ騒ぐ声こそは、鼓膜を突き刺す鉄の針
街往く者の視線こそは、ハラワタ抉る鉄の匙
彼等の世界に溶込めず、私は飽和を知らぬまま
彼等の世界は喧騒世界
孤独に怯え、目を逸らす
繋ぐ手、離す手、彷徨う手
誰も彼もに見捨てられ
虚ロを撫でては力尽き、空は私に唾を吐く
五体満足な私とて、心の足りぬ木偶の坊
人の群れにも紛れずに、彼等の世界へ背を向ける
寂寥世界に唯独り
今日も私は膝を抱く
寂寥世界 智依四羽 @ZO-KALAR
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます