ルーツ:リチャード・クーパー&ポール・ジュニア&ベティ・クワン

番外編として、リチャードとポールとベティについてのプロフィールを皆様にお届けします。

ただ、前回に続いて紹介役がちょっと癖強いタイプです……

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 次に紹介するのは、宝石店の下見役、裏稼業経験なしの期待の新人。

 チームのパシリ&賑やかし、ポール・ジュニアとベティ・クワンだ。


 本当は別々に紹介する予定だったが、尺の都合で2人まとめて紹介させてもらうぜ。


 彼らは、強盗の数日前までは本当にただの一般人だった。ダンのように、強盗の経験こそないが、危ない仕事を経験してきた、なんてこともない。本当に根っから、犯罪とは無縁の一般人だった。


 ただ、この国じゃの人間ほど珍しいものはない。2人は孤児とまでは言わないが、それなりに悲惨な幼少期を過ごしている。ポールの家は一歩間違えれば借金生活に陥りそうなほどに貧乏だったし、ベティの両親も彼女が幼いころに過労で死んでいる。


 なに? 不幸過ぎて哀れに思える?

 この国で同情心を配り歩いてたら、あっという間にすり減って消えちまうぞ。親に捨てられてないだけましだと思った方がいい。それに5体満足で借金も無いしな。


 そんな貧乏な幼少期を過ごしたせいで、金への執着を隠さないようになった。学校に行かずにアルバイトに明け暮れたらしい。


 ただまぁ、2人とも器用な方じゃないらしくな、ポールは単純に要領が悪いから、指示待ちでボーッとしてばかりだし、ベティも見様見真似でやった仕事が裏目に出る。

 まぁ、言っちまえば2人ともポンコツだったんだ。


 当然、すぐにクビになるわな。なんとかバイトを転々として食いつないでいたが、無限に仕事があるわけじゃないから、すぐに限界が来る。


 あっという間に家賃滞納、インフラ停止のギリギリ極貧生活まで追い込まれちまった。借金をするか裏の仕事に手を出すかで迷って、最悪な選択をするハメになったってわけだ。


 そういえば、裏の仕事の経験はないといったが、オタが募集する宝石店の下見のアルバイトに応募する前に、麻薬運びの闇バイトを1回だけしたらしいな。……すげー偶然だけど、オタとダンが準備金稼ぎのためにやったときと同じ日だ。


 あともう1つ偶然、オタが仕事を引き受けて、最初に行くように指示されたのがトゴメナ駅で、ポールたちがギャングから薬を受け取るために行ったのがトゴメナの裏路地だ。

 お前らがシャーロック・ホームズになりたいならこの先は言わないでおくよ。


 ポールとベティは1歳差で、ポールが20歳、ベティが19歳だ。

 2人とも金髪だが、ベティの方は少しくすんだ色に見えるぜ。まぁ、腐敗にまみれたこの国じゃ、誰だってくすんだ色になるけどな。


 ポールはよく童顔イジリをされてるが、20歳とはおもえないぐらいに間抜け面をしてる。ベティは、それが可愛くて良いと言ってるが、本人は納得してないみたいだな。


 逆にベティの方は、ばっちりメイクをするから大人っぽく見られるぜ。だから19歳のくせに宝石店に入ってもつまみ出されなかったんだな。ちなみに、警察の捜査情報から警備員の証言を見つけてきたんだが、売りをやってる地雷女とそのヒモをやってる童顔ホストに思われてたらしいぜ。


 ……本人の名誉のために黙っておいてやるか。


 2人の目標は、ずばり金持ちになること。オタやダンに比べたらフワフワしててくだらない夢だと思うかもしれないが、ラメカールの人間のほとんどが泥沼の停滞を楽しんでる最中、本気でを追い求める2人の覚悟は軽んじれるものじゃないな。


 さてと、ちょっと長くなったが、紹介はここまでにしておこうかな。

 以上、謎の情報屋『クリス・ブラドリー』でした。

 また会おうぜ、バカ共。

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