第21話 各停

各停の電車に揺られる。

「そうだ。あのさ、ピンク覚えてる?」

「あー、はい。デュエマやってた」

ヘッドホン先輩の言葉に、私はピンク先輩を思い浮かべながら答えた。

「そいつ学校辞めたんだって」

「え…そうなんですか」

車輪の唸る音が心地よい。

「うん。クイ研の副部とかやってたんだけどね」

「雀魂でフレンドになったのになー」

窓の外で景色が流れる。

「まぁ本人が決断したことだからね」

「そうですね」

みんな行き先も、速さも違う。

たまたま駅で会えただけなんだ。

そんな当たり前のことを実感する日々だ。


LINEもインスタも繋がってない。

私は久しぶりに雀魂にログインした。

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