第1話
拝啓 前世のお父様、お母様、お元気ですか?
僕は転生したこの異世界で貴族兼魔法使いをやっています。
そんなに教わってないけど
前世の世界では魔法はなかったけどこの世界では魔法が存在していて、貴族はみんな使えるみたいです。
僕は貴族に生まれて、幼い頃から魔法に関する勉強をしているけど
この世界の魔法は複雑すぎて、理解が追いつかないの
魔法文字も、ヒエログリフみたいな象形文字だから書きにくいし日本語で魔法が発動できれば良かったんですけどね....
ごほん、話が逸れたけど、僕は元気です。
もし帰れる時があったとしたら....僕の好物を用意してくれると嬉しいな。
......なーんて、言ったところで帰れるわけないんだけどね。
それに....今の僕にはお姉ちゃんがいるから
そんなことを考えていると
「レ〜ン〜ロゼお姉ちゃんがお世話してえげるよぉ〜こっちにおいでえぇ〜」
と隣から猫撫で声がする。
「ロゼお姉ちゃんくっつき過ぎなの、暑いの」
実の姉弟じゃなかったらしょっ引かれてそうな猫撫で声で僕を撫で回すのはロゼ・フォン・ヴィッテンフェルト、綺麗な空色の髪をした自慢のお姉ちゃんです。
ただ僕に対して甘すぎると言うか過保護というか...なんというか...
過保護なのは他のお姉ちゃんも同じなんだけど、ロゼお姉ちゃんは僕を赤ん坊かなんかだと思っているのかな、担当の日は着替えも自分でさせてくれないし、食事の時もパンを一口大にちぎって口元に差し出してくるし。僕はもう赤ちゃんじゃないのにね。
「レンの髪はさらさらだねぇ〜絹みたいだよ〜」
とロゼお姉ちゃんは僕の髪の毛をいじりながら
やめるのだ!ロゼお姉ちゃん!僕の髪は着せ替え人形の髪じゃないのだ!
「ロゼお姉ちゃんもサラサラだよ?」
僕の髪よりも長いしさらさらだし、それにステンドグラスみたいに透き通ってる。
「むふ〜」
嗅がないで、まだ水浴びしていないんだから臭いと思うよう
「いい匂いだよ?お日様みたいでクセになる匂い〜レン吸いってやつ〜」
うわ....やばすぎ、女の子じゃなかったら許されなさそうな発言...
男が言ったらキモいランキング上位に入りそうな言葉がお姉ちゃんの口から飛び出してくる。あとお日様の匂いはダニの死骸が焼ける匂いだから...
「シャァー」(それ以上近づかないで...ちょっと発言がキモい)
「怒ってる姿もカワイイよ♪まるで子猫みたい♪」
ダメだ、まるで効果がない...それどころかさらに抱きつく力が強くなってる
胸に...埋まるぅ....
意識...が....飛....ぶ....
「きゅう....」
レンは意識を失った
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