11_唯一無二

「人と同じではダメ。個性的になりなさい」


 私が小さい頃から、親はいつもそう言っていた。だから、私はいつも、人と違うようにしようと努力した。


 学校では、服装も髪型も他の子と被らないようにした。


 大人になっても、他の人がやらないような仕事をどんどんやった。


 努力の甲斐があって、私はとても個性的な人だと言われるようになった。


 だけど、職場に同姓同名の新人が入ってきた。私は、その新人を殺した。


 これで私は唯一無二だ。

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